月足は15%を超える大陰線を記録する可能性あり

・2026年6月のビットコインは、月足ベースで大きく下落する展開となりました。月初は1172万円近辺から取引を開始しましたが、上値を伸ばす動きは続かず、月後半にかけて売り圧力が強まりました。足元では966万円近辺まで下落しており、月間の下落率は15%を超える見込みです。
・月足は移動平均線(3EMA)を下回った水準で推移しており、短期から中期のトレンドは弱気を示唆しています。これまでサポートとして意識されていた1000万円の節目も下回り、同水準での買い戻しは限定的でした。心理的な節目を割り込んだ後も明確な反発にはつながっておらず、相場の地合いは弱い状態が続いています。
・チャート上では、昨年10月の高値圏から続く上値切り下げのトレンドラインが引き続き意識されています。反発局面でも高値を切り下げる流れが続いており、売り優勢の構図は崩れていません。月足で見ても、上昇に転じるための力強い買いはまだ確認されておらず、相場が反転しようとする動きは限定的です。
・今後は、まず1000万円台を回復できるかが短期的な焦点となります。1000万円を明確に上回れない場合、戻り売りが出やすい地合いが続く可能性があります。一方で、下落トレンドを転換するには、3EMAの回復に加え、昨年10月から続く下落トレンドラインを上抜ける動きが必要になります。
週足は終値ベースで今年の最安値圏で推移

・月初の週は大きな陰線を記録し、価格は1000万円台前半まで下落しました。その後、2週目は一時的にプラスとなりましたが、反発の勢いは続かず、上値では戻り売りが発生しました。
・週足は6月を通して移動平均線を下回る水準で推移しており、チャートは非常に弱い形となっています。反発局面でも移動平均線に届かず、上値の重さが意識される展開です。足元では終値ベースで今年の最安値圏まで下落しており、買い戻しの力は限定的です。
・現在の価格帯は、これまでサポートとして意識されていた1000万円近辺を下回って推移しています。節目を割り込んだ後も明確な反発が見られていないことから、短期的にはもう一段安となる可能性が高まっています。売り圧力が続く場合、900万円近辺が次の下落目処として意識される展開も想定されます。
取引所保有BTCは足元で増加

・取引所保有BTCの数量は、足元で再び増加傾向となっています。4月後半から5月前半にかけて同指標は減少していましたが、5月末以降は大きく増加し、6月も高水準で推移しています。直近でも取引所へのBTC流入が続いており、市場では売り需要の増加が意識されます。
・一般的に、取引所保有BTCの増加は、投資家が売却や取引を目的にBTCを取引所へ移している可能性を示します。必ずしも即時の売りを意味するわけではありませんが、取引所内で売却可能なBTCが増えている状態では、上値が重くなりやすい傾向があります。
・価格面では、6月以降にBTC価格が下落する一方で、取引所保有BTCは高止まりしています。価格下落局面でも取引所からの流出が進んでいないことから、現時点では長期保有目的の引き出しよりも、売却を意識した資金移動が優勢になっている可能性があります。
・同指標が明確に下落へ転じるまでは、相場の反転は難しい展開が想定されます。取引所保有BTCの増加が続く場合、戻り局面では売り圧力が再び強まりやすく、価格の上昇は限定的になりやすいでしょう。
デリバティブ市場では相場の下落とは裏腹にロングポジションが増加


・デリバティブ市場では、3ヶ月先物と現物価格の乖離率、ファンディングレート(FR)の双方が足元で上昇しています。3ヶ月先物の年率ベースの乖離率は、6月後半に一時低下した後、再び上昇に転じています。FRもプラス圏で推移しており、足元ではロングポジションを保有する投機筋が増えていることを示唆しています。
・通常、先物価格の乖離率やFRの上昇は、市場参加者が先高観を持ち、ロング方向にポジションを傾けている状態として捉えられます。ただし、現在のビットコイン価格は安値圏で推移しており、現物価格の戻りが鈍いなかでデリバティブ市場だけがロングに傾いている点には注意が必要です。
・相場が下落基調にある局面でロングポジションが積み上がると、価格がさらに下落した際にロスカットやポジション解消が連鎖しやすくなります。その場合、下落方向への値動きが一段と大きくなるリスクがあります。特に、現物市場で明確な買い戻しが確認できないままFRや先物乖離率が上昇する場合、反発期待のロングが過度に積み上がっている可能性があります。
・足元では、価格が安値圏にあるにもかかわらず、デリバティブ市場ではロング方向のポジションが増加している構図です。これは短期的な反発期待を示す一方で、相場が反転できなかった場合には、ロングポジションの巻き戻しによる下落圧力が強まる可能性を示しています。
ETFではビットコインの売却が鮮明に

・米国現物ETFのネットフローは、足元で流出超過が目立つ展開となっています。4月は流入超過の日も多く見られましたが、5月以降はマイナス圏で推移する日が増え、6月後半には大きめの流出が連続して発生しています。
・ETF市場では売りが鮮明になっており、機関投資家や大口投資家がビットコインのポジションを落としている可能性が示唆されます。現物ETFは中長期資金の動向を反映しやすい指標の一つですが、足元では新規資金の流入よりも、リスク回避や利益確定、ポジション縮小の動きが優勢になっています。
・価格面でも、ETFフローの悪化と同時にビットコイン価格は安値圏で推移しています。ETFからの資金流出が続くなかでは、現物市場の買い支えが弱くなりやすく、反発局面でも上値が抑えられやすい状態です。特に、流出額が大きい日が続く場合、市場参加者の様子見姿勢が強まり、積極的な買いが入りにくくなる可能性があります。
・足元のETFフローを見る限り、大口投資家は強気にポジションを積み増す段階にはなく、むしろリスクを抑える方向に動いていると考えられます。相場が反転するには、ETF市場で流出が落ち着き、安定した資金流入が再び確認される必要があります。
まとめ
・現時点では、チャート、オンチェーン、デリバティブ、ETFフローのいずれも弱気材料が目立っています。短期的には1000万円台を回復できるかが焦点となりますが、同水準を明確に上回れない場合、900万円近辺への下落リスクが意識される展開となりそうです。相場の反転を確認するには、取引所保有BTCの減少、ETFフローの改善、過度なロングポジションの解消に加え、価格が主要な移動平均線を回復する動きが必要になります。7月相場は、6月以上に下落方向への動きに警戒が必要な状況となっています。



