暗号資産(仮想通貨)専業11年目の墨汁うまい(@bokujyuumai)です。暗号資産はビットコインの上値が重いことで資産クラス全体としてパフォーマンスが出せておらず、この停滞には米国での暗号資産の枠組みを決める「クラリティ法(Clarity Act)」の審議が難航していることも影響しているといえるでしょう。
本稿ではクラリティ法の現状とビットコインとイーサリアムなどの暗号資産相場に与える影響についてわかりやすく解説を行います。
2026年Web3川柳は「クラリティ 通れば抜ける マイノリティ」が最優秀賞
クラリティ法とは「Digital Asset Market Clarity Act of 2025」の名称であり、米国で2025年から暗号資産推進派のトランプ政権により進められているビットコインやイーサリアムなどのデジタル資産の法的枠組みを明確にする規制を指します。
このクラリティ法の注目は日本の暗号資産業界でも高く、墨汁うまいや株式会社bitFlyer Holdings 代表取締役CEOの加納裕三氏、Fireblocks, Inc 日本営業責任者の牧野剛氏、INTMAX共同創業者の藤本真衣氏、Joe Takayama氏、N.Avenue代表取締役CEOの神本侑季氏、NADA NEWS編集長の増田隆幸氏が審査を務めた「2026Web3川柳コンテスト」でも最優秀賞になったのは満場一致で「クラリティ 通れば抜ける マイノリティ by まんた氏」であることからもわかるでしょう。

共和党の暗号資産推進派のドナルド・トランプ大統領が2024年11月の大統領選を勝ち取るまで、バイデン政権下では暗号資産に対する理不尽な弾圧が強かったことは業界人にもユーザーにも記憶に新しいでしょう。その弾圧の中では証券を規制する米国証券取引委員会(SEC)なのか商品や先物を規制する米商品先物取引委員会(CFTC)なのかさえ決めることはなく、理不尽に数々の訴訟や警告を受けた一方、このクラリティ法が可決すれば米国の暗号資産業界が過去に求めた明確な規制という暗号資産においての偉業を達成することになるということなのです。
クラリティ法の現状
墨汁うまいが本記事を執筆時には上院銀行委員会がクラリティ法のドラフト公開から約1年に及ぶ期間を経てついに可決に漕ぎ着けました。下院では約2ヶ月ほどで可決まで至っており、2026年1月頃から上院での難航が問題視されており、このニュースは非常に大きいものであるといえるでしょう。
上院農業委員会は「Digital Commodity Intermediaries Act」を2026年1月29日に可決、そして上院銀行委員会は5月14日についに可決となり、上院銀行委員会のバージョンと上院農業委員会のバージョンとなるクラリティ法を統合し、最終的な全体投票による可決が必要となります。その後大統領署名が必要となりますが、そもそも暗号資産推進派であるトランプ大統領の署名は難航しないといえ、この可決までを11月までに行えるかどうかがビットコイン、そしてイーサリアム率いるアルトコイン全体の市場に影響を及ぼすということになるわけです。
トランプ一族によるマイナス
主にクラリティ法の可決に時間を要している背景には、主に
1.トランプ大統領及び一族による暗号資産を利用したビジネス
2.銀行と暗号資産取引所との潜在的顧客問題
の2点が障害になっているといえるでしょう。
特にトランプ政権は大統領就任式前に俗に言う「トランプコイン」と呼ばれている$TRUMPトークンをローンチしており、そのトランプコインをめぐっては、トランプ大統領および関係者の利益相反が問題視されています。現在においてはトークンローンチを誰でも気軽に行うことができ、例えば直近で国内で話題となったサナエコインのような有名人の名前を冠した無差別なトークンローンチによる収益構造が暗号資産における利便性でもあり、問題点でもあるわけです。
それを暗号資産推進派として推し進めるトランプ政権が率先して行っていること、他にはトランプファミリーが関わるワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)などもあり、一筋縄ではいかないわけです。
またステーブルコイン周りにおける報酬付与が銀行預金の金利と被り、今後10年間でステーブルコイン周りがより進展してきたとき、銀行の脅威となりうるという問題があります。これについてはジーニアス法ではそもそもステーブルコイン発行者による利息・利回りの提供を制限するという定義からも、銀行側は預金流出を警戒する一方、暗号資産取引所などはステーブルコイン関連サービスの収益機会を確保したいという立場にあり、ここで対立が起きているわけです。
墨汁うまいはどう考えているのか?
米国は日本と異なり、夏に長期休暇を取ります。そして相場は「夏枯れ」によって動かなくなり、第4四半期及びその前までが年間を通して勝負の時となるわけです。中間選挙は2026年11月であるため、まさに重要な第4四半期の真っ最中であるということになるということに注目しているということです。
ビットコインは5月には2月に記録した最安値の6万ドル前後から反発して上昇、短期上昇トレンドに転換することができた一方、ここから再度6万ドルを割れると長期下落トレンドを継続することになります。
一方でブラックロックやフィデリティが牽引するビットコインETF市場、さらに暗号資産トレジャリー企業といった異なる市場プレイヤーにより、「下落はすれど底値は固い」と墨汁うまいは考えているわけです。もしそうなった場合には市場の需要と供給が拮抗し、夏枯れを経てクラリティ法が11月までに可決することができれば、年末に向けて市場全体が回復していくと分析しています。



