不動産セキュリティ・トークン(ST、デジタル証券)に投資しているのは、株式などへの投資経験が長いベテラン層が中心──。
ケネディクスグループのKDX STパートナーズは10月9日、不動産STに関する情報提供や資産管理機能を備える「KDX STアプリ」の個人の本会員7002人を対象に、投資経験や収入源、投資目的を分析した調査結果を公表した。
このうち、不動産STを保有しているのは2391人だった。
調査は10月4日時点の顧客属性情報を集計したもの。同社アプリの会員を対象としているため、一般の個人投資家全体を示す調査ではないが、不動産STを実際に保有する投資家像を把握できるデータとなっている。
株式・投信の経験者が中心

KDX STアプリの個人の本会員7002人のうち、株式現物への投資経験があるのは4707人、投資信託は4806人だった。
暗号資産への投資経験者も2051人にのぼった。
すでに株式や投資信託などで資産運用を経験している層が、不動産STにも関心を広げていることがうかがえる。

さらに、不動産ST保有者2391人に絞って株式現物の投資経験年数を見ると、「10〜20年」が573人、「20〜30年」が511人、「30年以上」が649人だった。
株式現物の投資経験が10年以上の保有者は計1733人で、不動産ST保有者の7割強にあたる。
一方、不動産ST自体への投資経験は「1年未満」が919人に集中していた。
長年にわたって株式などへ投資してきた層が、ここ最近になって不動産STを新たな投資先としてポートフォリオに加えている構図が見える。
年金・配当・不動産収入の比率が高い

主な収入源にも特徴があった。
不動産ST保有者では、「年金」を主な収入源とする割合が19.7%で、アプリ会員全体の8.8%を大きく上回った。
「利子・配当収入」は10.3%で、全体の5.5%、「不動産収入」は9.0%で、全体の4.0%だった。
不動産ST保有者では、主な収入源として年金、利子・配当収入、不動産収入を挙げる割合が、会員全体より高かった。

投資目的については、本会員全体、不動産ST保有者ともに、「積極的値上がり益」を目的とする層は少数で、「利回り・値上がり益重視」または「利回り・元本の安全性重視」が9割以上を占めた。
KDX STパートナーズは、大きな値上がり益だけを追うのではなく、利回りや安定性を重視して不動産STを選んでいると分析している。
まず広がったのはベテラン投資家
不動産STは、小口化やオンライン取引を通じて、従来の現物不動産投資より参加しやすい商品として期待されてきた。
一方、今回の調査からは、現時点では投資初心者よりも、長い投資経験を持つ層が先に不動産STを取り入れている実態が浮かぶ。
KDX STパートナーズの中尾彰宏社長は、不動産STについて、少額から投資でき、投資対象が分かりやすいことから、これから資産形成に取り組む層にも活用される可能性があるとしている。
同社は2025年6月にKDX STアプリを開始。不動産STに関する情報提供に加え、ケネディクス・リアルティ・トークン保有者向けの資産管理機能などを提供している。
ケネディクスグループの受託資産残高は2026年6月末時点で5.6兆円。グループは、不動産STをREIT、私募ファンドに次ぐ第3の柱と位置づけている。
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|文:NADA NEWS編集部
|画像:リリースより


