格付け大手のS&P Global Ratings(S&Pグローバル・レーティング)は10月4日、DeFi(分散型金融)の融資運用に関するリスク評価サービスを立ち上げたと発表した。投資家から資金を集めて貸し付ける「ボールト」を対象に、独立した評価を提供する。
新サービスの名称は「Vault Risk Assessment(ボールト・リスク・アセスメント、VRA)」。投資家の持ち分に損失が生じるリスクを、将来を見据えて相対的に評価する。通常の信用格付けとは異なり、利回りの水準は評価しない。
ボールトは、ブロックチェーン上で動く共同運用の仕組みだ。投資家が預けた暗号資産(仮想通貨)などをまとめ、決められた戦略に沿って運用する。
S&Pグローバル・レーティングによると、融資向けボールトの預かり資産は2026年9月時点で約100億ドルに達した。2024年9月の約15億ドルから、2年間で約6.7倍に拡大した。
一方、ブロックチェーン上で取引を確認できても、運用戦略やリスクに関する情報開示は限られている。同社は、取引の透明性に加え、投資家がリスクを比較するための共通の評価が必要だと説明した。
VRAは、運用資産の信用力、引き出し需要と資金回収のずれ、運用方針を決める管理者のリスクを調べる。さらに、ブロックチェーン、融資の仕組み、ボールトの安全性と管理体制を含む6つの観点で評価する。
同社はすでに、ステーブルコインが法定通貨との価格連動を維持する能力を評価している。価格の安定性に加え、今回のVRAでは融資運用に伴う損失リスクを扱う。
同社はVRAを通じ、機関投資家の投資先選びやリスク管理を支援する方針だ。
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|文:平木 昌宏
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