米シティ、トークン化預金サービスを日本で提供開始

米金融大手Citi(シティ)は9月28日、トークン化預金を使った法人向けサービス「Citi Token Services(シティ・トークン・サービス)」を日本とアラブ首長国連邦(UAE)で開始したと発表した。

日本の顧客は、米国や英国、シンガポールなどの対応地域にある自社口座や、他の顧客の口座へ資金をほぼ即時に移動できる。日本では米ドルに対応し、国境を越えた資金移動を24時間365日行える。

これにより銀行の締め切り時刻や休日、時差に左右されにくくなり、海外拠点へ資金をあらかじめ置く負担の軽減が見込まれる。

トークン化預金は、銀行預金をブロックチェーン上で移転できる形式にしたものだ。預金を裏付けとし、シティが管理する許可型ブロックチェーン上で処理する。

サービスの利用に新たな銀行口座や暗号資産(仮想通貨)ウォレットは必要ない。顧客は既存の口座とオンラインバンキングを使って送金を指示でき、トークンを直接保有する必要もない。シティの説明によると、送金状況や残高もリアルタイムで確認できるとのことだ。

Two pale-blue rounded tiles showing features: '24x7 Instant payments' and 'Save Time' with related icons, describing cross-border payments and liquidity savings.
<シティ・トークン・サービスの主な特徴。24時間365日の即時送金や資金の事前配置削減などを掲げる|Citi>

日本とUAEでのサービス開始により、対応地域は米国、アイルランド、香港、シンガポール、英国、日本、UAEの7市場となった。日本は米ドル、UAEは米ドルとユーロに対応する。シティによると、同サービスの取引処理額は数十億ドル(約数千億円、1ドル=157円換算)に上る。

シティは、日本を国境を越えた資金移動が多い重要市場と位置づけている。日本から米ドルをリアルタイムで移動できれば、企業の財務担当者は海外拠点の資金需要に素早く対応できる。余剰資金を必要な地域へ移しやすくなり、流動性や担保の管理効率も高まる。

また、シティは同日、Coinbase(コインベース)との提携拡大も明らかにした。米国では、シティの法人顧客がステーブルコインによる支払いを受け付け、法定通貨で決済を受けられるようになる。

9月2日には、国際銀行間通信協会(SWIFT)のブロックチェーン基盤を使い、中東と東南アジアで米ドルの実取引を処理したと発表した。シティはトークン化預金やステーブルコイン、銀行間ネットワークを活用し、国際決済の24時間365日化を進めている。

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|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock