SWIFT、トークン化預金の国際決済を実証へ──三菱UFJなど世界17行が共有台帳を活用

SWIFT(スイフト:国際銀行間通信協会)は7月9日、ブロックチェーンを基盤とする共有台帳が初期利用可能な段階に入ったと発表した。

リリースによると、三菱UFJ銀行を含む世界17行が、トークン化預金を使った国際決済の実取引を伴う試験運用に向けて準備を進めているという。

参加行には、三菱UFJ銀行のほか、Citi(シティ)、HSBC、UBSなどが名を連ねる。6大陸の銀行が共有台帳を使い、24時間365日の国際決済を検証する予定だ。

スイフトはこれまで、金融機関が送金指示などの標準化された金融メッセージを安全にやり取りするための基盤を提供してきた。

今回の共有台帳では、各銀行が自らの台帳上で管理する銀行発行のトークン化預金について、銀行間の取引を連携・調整する機能が新たに加わる。

スイフトによると、参加行は共有台帳を通じて、夜間や週末にも顧客向けの資金移動を実行できるようになるという。最終決済には既存の決済システムを使う。

つまり、既存の決済網をブロックチェーンへ全面的に置き換えるのではなく、その上に24時間365日稼働する取引の調整層を加える仕組みとなる。

これにより、銀行や顧客企業は営業時間や時差による制約を受けにくくなり、国境をまたぐ資金移動の迅速化が見込まれる。参加行は、企業の流動性管理の効率化やキャッシュフローの可視性向上にもつながるとしている。

またスイフトは、既存の決済処理に組み込まれたコンプライアンス、信用管理、リスク管理、統制に関する基準を維持しながら、トークン化預金を国際決済に取り込めると説明している。

参加行からは、リアルタイム決済や流動性管理の柔軟化、既存の決済網との相互運用性を期待する声が上がっている。

スイフトは2025年に共有台帳の開発計画を発表し、国際的な金融機関からの意見を取り入れながら約9カ月で設計・構築したという。

トークン化預金を使った国際決済は、同台帳の最初のユースケースとなる。初期の限定的な本番運用を経て、機能や利用範囲を広げる方針だ。

三菱UFJ銀行のシニアフェロー兼グローバル・ヘッド・オブ・トランザクションバンキングを務める松本雅弘氏は、トークン化預金と分散型台帳技術について、国際決済や流動性管理の効率と透明性を高める可能性があるとコメントした。

実用的なユースケースの試験・評価に取り組むとともに、これらの技術を既存の金融システムへ安全かつ拡張可能で、顧客本位の形で統合する方法を慎重に検討するという。

|文:平木 昌宏
|画像:Shutterstock

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