JPYC、Upbit上場の影響で価格乖離

日本円連動型ステーブルコインのJPYCは9月17日、韓国の暗号資産取引所Upbit(アップビット)で取引が始まった直後から価格が急騰した。CoinMarketCapでは一時、1JPYC=約2.2円を記録し、1円前後を想定した基準価格から大きく乖離した。

JPYCは、JPYC株式会社が発行する、日本円との1対1の価値連動を目指す日本円建てステーブルコイン(電子決済手段)である。そのため、通常であれば為替レートを反映した水準で取引される。

CoinMarketCapの価格チャートでは、取引開始前までおおむね1円前後で推移していた価格が、アップビットでの取引開始後に急上昇している。

Line chart from CoinMarketCap showing a cryptocurrency price in JPY rising sharply at the end from about 1 to 2 yen
<アップビットでの取引開始後、JPYC価格が急騰した|CoinMarketCap>

韓国メディアの聯合ニュースによると、9月17日18時42分時点で、アップビットのJPYCは始値比197.5%高の35.7ウォンで取引されていた。同じ時間帯のCoinMarketCap上の価格は9.65ウォンで、アップビットの価格はグローバル価格の3倍以上に達していた。

アップビットが取引開始前に示していた価格も、1JPYC=約8.81ウォンだった。

今回の価格乖離は、アップビットへの上場によって韓国側に新たなJPYC市場が形成された一方、同取引所が対応するイーサリアム版JPYCは全流通量の約7%にとどまるとされ、供給が限られていたことが背景にあるとみられる。

アップビットは9月17日、JPYCを韓国ウォン(KRW)、ビットコイン(BTC)、テザー(USDT)の3市場で取り扱うと発表した。最終的な取引開始時刻は18時となった。入出金に対応するネットワークはイーサリアム(Ethereum)に限定された。

一方、JPYCは複数のブロックチェーン上で発行されている。アップビットが取り扱ったのは、そのうちイーサリアム版のみである。

アップビット上場によって韓国側に新たな市場が生まれ、投資家から買い注文が集中した。一方、同取引所が対応するイーサリアム版JPYCは全流通量の約7%にとどまるとされる。売り供給が買い需要に追いつかなかった結果、アップビット内で価格が急上昇したと考えられる。

JPYC株式会社は9月17日20時34分、イーサリアムネットワーク上のJPYC発行予約を一時停止する障害情報を公式Xに投稿している。

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|文:平木 昌宏
|画像:CoinMarketCapより(キャプチャ)
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