暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの調査部門Binance Research(バイナンス・リサーチ)は9月11日、トークン化株式の8月の月間取引高が79億ドル(約1兆1850億円、1ドル=150円換算)に達したとするレポートを公開した。
1月の2億3700万ドルから、7カ月で33倍超に拡大した。8月の月間取引高は1兆円を上回り、7月に続いて2カ月連続で1兆円を超えた。
トークン化株式は、株式などに連動する資産を、ブロックチェーン上で移転・売買できるトークンとして扱う仕組みだ。今回の取引高は、分散型取引所(DEX)での売買を集計したものとなる。
市場で流通する株式トークンの時価総額も、年初の9億6500万ドルから9月9日時点で約40億ドルへ増加した。市場規模が約4倍となる一方、取引高はそれを大きく上回るペースで伸びている。

レポートが成長の背景として挙げるのが、取引サービスの既存顧客基盤だ。バイナンスの株式トークン「bStocks(ビーストックス)」では、初期利用者の58.5%が無期限先物や直接の株式取引も利用していた。他の金融商品を取引する顧客との接点が、株式トークンの普及につながっていると分析した。
取引高も、こうした顧客基盤を持つサービスに集中している。ビーストックスとRobinhood(ロビンフッド)が調査対象の取引高に占める割合は、6月の0.8%から8月には82.3%に上昇した。9月9日までの月初来では87.8%に達した。
また、売買の拡大には、株式トークンをミームコインなどと交換する取引も寄与している。レポートが引用したSQDの分析では、ロビンフッド・チェーンの調査対象で、8月30日までの株式トークンの累積DEX取引高の32.1%が、主にミームコインなど他のトークンとの交換によるものだった。
売買以外では、株式トークンを担保に資金を借りるなど、分散型金融(DeFi)での利用も進んでいる。担保利用や取引向けの資産供給を含むDeFiでの預かり資産額は、年初の2160万ドルから9月9日には2億8910万ドルへ増加した。

バイナンス・リサーチは、市場の競争がトークンの発行から流通・活用へ移りつつあると指摘した。発行銘柄を増やすだけでなく、継続的に売買できる環境を整え、担保などの用途を広げることが重要になるとみている。
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|文:平木 昌宏
|画像:Binance Research(バイナンス・リサーチ)よりキャプチャ
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