米有力法執行団体、クラリティ法案への反対を撤回

米法執行団体National Sheriffs’ Association(全米保安官協会:NSA)は9月3日、暗号資産(仮想通貨)の市場構造を定める「CLARITY法案(クラリティ法案)」への反対を撤回し、中立に転じることを書簡で明らかにした

NSAは議員宛ての書簡で、法案が複雑で、なお重要な詳細が検討されていると説明したうえで、明確で効果的なデジタル資産規制の枠組みを整備するため、立法プロセスを進めることが適切だとして、立場を「反対」から「中立」に変更したという。

クラリティ法案を巡っては、法執行団体から分散型金融(DeFi)に関する規定への懸念が示されてきた。

ただし、法執行機関側の立場は一枚岩ではなく、NSAとは別団体のMajor County Sheriffs of America(全米主要郡保安官協会:MCSA)は7月、法案への反対を取り下げ、中立に転じている。

関連記事:全米郡保安官協会、クラリティ法案への反対を取り下げ

一方、NSAはその後も反対を続けており、NSAは7月31日付の書簡で、一部のDeFi参加者が登録や本人確認(KYC)、マネーロンダリング対策(AML)、制裁法上の義務から広く除外される可能性があると主張。

これにより、金融犯罪の防止や犯罪ネットワークの捜査、盗難資産の回収が難しくなるとの懸念を示していた。

これに対し、米暗号資産業界団体Blockchain Association(ブロックチェーン協会)は8月3日、NSAがクラリティ法案のDeFi規制を「根本的に誤解している」と反論した。

同協会は、法案には州・地方の法執行機関への資金提供など、暗号資産犯罪への対応能力を強化する措置も盛り込まれていると説明していた。

関連記事:米ブロックチェーン協会、クラリティ法案で全米保安官協会の主張に反論

NSAは今回、従来示してきた個別の懸念が解消されたかどうかには言及していないが、数カ月にわたって法案に反対してきた有力な法執行団体が中立に転じたことで、上院での法案審議を巡る障害の一つが後退した形だ。

|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock

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