匿名性の高さを特徴とする暗号資産(仮想通貨)モネロ(XMR)が8月、大きく上昇し、時価総額ランキングで12位に浮上した。
CoinMarketCapの7月31日と8月31日のデータによると、XMRは358.34ドルから517.64ドルへ約44%上昇し、時価総額も約67億ドルから約97億ドルに拡大した。

モネロの特徴は、誰が誰にいくら送ったのかを外部から追いにくいことだ。利用者のプライバシーを守れる一方、犯罪収益の資金洗浄に悪用された事例もある。
警察庁の令和8年警察白書でも、犯罪収益を「匿名性の高い暗号資産(モネロ)」に換えていたグループの事例が紹介された。警察庁のサイバー特別捜査部が資金の流れを調べ、首謀者を特定したという。
こうした匿名性の高い暗号資産を巡る規制が強まるなか、モネロは大手暗号資産取引所で取り扱いが減ってきた。大手暗号資産取引所Binance(バイナンス)は2024年2月、XMRの全取引ペアを上場廃止した。また、Kraken(クラーケン)も規制変更を理由に、同年10月、欧州経済領域(EEA)の利用者向けにXMRの取引と入金を停止した。
一方、大手取引所で扱われなくなった後も、取引所を介さずにXMRを交換する動きは広がっている。暗号資産交換サービスWagyu.xyz(ワギュー)は8月14日、2026年1月のサービス開始以降、XMRの累計取引高が7億ドルを超えたと発表した。
こうした状況で、注目されているのが、異なる暗号資産を直接交換できるTHORChain(ソーチェーン)へのモネロ統合だ。
THORChainは8月24日、プロトコルのアップグレード「v3.20」の内容を公開し、MR対応に向けた機能を実装したと発表した。統合が実現すれば、大手取引所を使わずにXMRと他の暗号資産を交換できるようになるとしている。
ただし、本番取引はまだ始まっておらず、THORChainは8月27日、ネットワークの安定性を優先し、XMRなどの提供を当初1〜2週間延期すると説明した。
このため、THORChain上で取引が増えたことが今回の価格上昇につながったとはいえない。ただ、大手取引所に頼らない売買経路が広がっていることや、THORChainへの統合期待が、足元のXMR価格を支える材料の一つになっているとみられる。
|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock


