米ナスダック上場のMARA Holdings(マラ・ホールディングス)は8月6日、2026年上半期に2万3093BTCを約16億ドル(約2560億円、1ドル=160円換算)で売却したことを明らかにした。MARAが米証券取引委員会(SEC)に提出した四半期報告書(10-Q)で判明した。
マラはビットコイン(BTC)のマイニングを中核事業とする米デジタルインフラ企業だ。低コストの電力やデータセンターを活用して大規模なBTCマイニングを手がける一方、近年はAI(人工知能)やHPC(高性能コンピューティング)向けインフラにも事業を広げている。
今回の大規模なBTC売却は、同社のBTC保有戦略が変化していることを示している。
マラは従来、採掘したBTCを長期投資として保有していたが、2025年から事業運営の資金を確保するためにBTCの売却を開始した。さらに2026年には、新たに採掘したBTCだけでなく、貸借対照表上で保有していたBTCについても必要に応じて売却できる方針へと変更した。
同社はBTCを売却する目的について、事業運営の資金確保に加え、成長機会への投資や流動性の管理を挙げている。
特に売却が集中したのは第1四半期だ。同期間には約15億ドル(約2400億円)相当のBTCを売却し、その資金を使って2030年および2031年満期の転換社債を額面10億ドル超(約1600億円)分買い戻したほか、融資枠を2億ドル(約320億円)圧縮した。これにより、債務負担や将来の株式希薄化リスクを抑えたという。
マラは2026年上半期、ATM(市場内株式売却)プログラムを通じた株式の売却を行っていない。一方で、保有BTCを「長期的な価値の保存手段」であると同時に、必要に応じて資金化できる流動性源として活用する姿勢を明確にしている。
また、同社はBTCマイニングを引き続き事業の基盤と位置付けながら、AIやHPC、クリティカルIT向けデータセンターへの投資を進めている。2026年にはこうした分野への経営資源の再配分を進めており、BTC売却による資金確保も、債務削減だけでなく今後の成長投資に備えた財務余力の確保につながる。
大規模な売却を進めた一方、6月末時点でも3万5577BTCを保有している。報告書上の評価額は約21億ドル(約3360億円)で、マラは今後もBTCを長期保有しながら、市場環境や資金需要に応じて一部を売却する方針だ。
|文:平木 昌宏
|画像:Shutterstockより


