ビットコインのルール変更案「BIP-110」を支持する少数派チェーンが日本時間8月9日、通常のビットコインから分岐し、わずか2ブロックで生成が止まった。通常側とBIP-110側を追跡する「BIP-110 MONITOR」のデータから分かった。
10日午前11時26分時点で、通常のビットコインはブロック高961,818まで進んだ一方、BIP-110側は961,633で停止し、185ブロックの差がついた。分岐直前にBIP-110への支持を示したマイナーは、2,016ブロック中51ブロックの2.53%にとどまり、移行に必要な55%を大きく下回った。

BIP(Bitcoin Improvement Proposal)とは、ビットコインの仕組みを変更するための提案書だ。BIPとして公開されても採用が決まるわけではなく、実際の変更にはマイナーやノードなどネットワーク参加者の対応が必要となる。
ビットコインでは、マイナーが取引をまとめたブロックを生成し、ノードがルールに沿っているかを確認する。参加者が異なるルールでブロックを判定すると、それぞれが別の取引履歴を伸ばし、チェーンが分岐する。
「BIP-110」は、ビットコイン上に画像やテキストなどのデータを記録する利用を約1年間制限するソフトフォーク案だ。提案者は、こうしたデータがブロックチェーンを保存・検証するノードの負担を増やしていると主張していた。
しかし、十分な支持が集まらないまま、一部のBIP-110対応ノードが支持シグナルのないブロックを拒否した。一方、通常のノードは同じブロックを受け入れたため、BIP-110側だけが少数派チェーンへ分かれた。BIP-110側は分岐前と同水準の採掘難易度を引き継いだものの、参加するマイニング能力が小さく、ブロック生成が極端に遅くなり、同時点でブロック高961,633から進んでいなかった。
分岐前の8月8日には、米ストラテジー共同創業者兼会長のマイケル・セイラー氏もXでBIP-110に言及していた。同氏は、マイナーの支持率が2.6%にとどまることを指摘し、BIP-110側は停止するか、重要性を失うフォークになる一方、通常のビットコインは稼働を続けるとの見方を示していた。
通常のビットコインのメインチェーンは従来のルールで稼働を続けている。BIP-110が目指したデータ制限も導入されておらず、一般的なBTCの保有や送金への影響は出ていない。
支持率が必要水準を大きく下回り、少数派チェーンも2ブロックで停止したことから、BIP-110をビットコイン全体へ導入する試みは事実上失敗したとみられる。
|文:平木 昌宏
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