ビットコインは「送金」だけではない──Runes、Ordinals、BRC-20が示すネットワーク進化の現在地【エックスウィン】

● CryptoQuantの「Bitcoin Network Activity Index」は過去最高水準付近まで上昇しており、ビットコインネットワークの利用拡大が続いている。
● その背景には、Runes、Ordinals、BRC-20など、従来の送金以外の新しいユースケースの増加がある。
● 価格が調整局面にある中でもネットワーク利用が拡大していることは、ビットコインが単なる投機資産からインフラへ進化しつつある可能性を示している。

CryptoQuantが公表している「Bitcoin Network Activity Index」によると、ビットコインネットワークの活動量は現在、過去最高水準付近まで回復しています。

この指標は、
・アクティブアドレス数
・トランザクション数
・UTXO数
・ブロックスペース需要

など複数のネットワーク指標を総合して算出されるもので、ビットコインネットワークが実際にどれだけ利用されているかを示す代表的な指標です。

興味深いのは、現在のビットコイン価格が過去最高値から大きく調整しているにもかかわらず、ネットワーク活動は高水準を維持していることです。

これまでのビットコイン市場では、「価格上昇→投資家流入→利用増加」という流れが一般的でした。

しかし現在起きているのは、「利用増加→価格は低迷」という逆の現象です。

では、いったい何がネットワーク利用を押し上げているのでしょうか。

その要因として、
・Runes
・Ordinals
・BRC-20
・データインスクリプション

などを考えられます。

これらは従来の「価値の送金」とは異なる、新しいビットコイン利用方法です。

Ordinalsとは何か

Ordinalsは2023年に登場した技術です。簡単に言えば、「ビットコインの最小単位であるサトシにデータを記録する仕組み」です。これにより、「画像」「テキスト」「動画」「NFT」などのデータをビットコインブロックチェーンへ直接保存できるようになりました。

EthereumのNFTはスマートコントラクト上で管理されますが、Ordinalsはデータそのものをビットコインへ刻み込みます。そのため、「ビットコイン版NFT」とも呼ばれています。2023年以降、この利用が急増したことでビットコインネットワーク上のデータ量は大きく増加しました。

BRC-20とは何か

Ordinalsが登場すると、「ビットコイン上で独自トークンを発行できないか」というアイデアが生まれました。そこで登場したのがBRC-20です。

EthereumのERC-20に近い概念ですが、スマートコントラクトを使わず、Ordinalsを活用してトークン情報を記録します。これにより、「ミームコイン」「コミュニティトークン」「実験的プロジェクト」などがビットコイン上で多数発行されました。一方で、データ量が大きい・処理効率が低い・管理が複雑という課題も抱えていました。

Runesとは何か

その課題を解決するために登場したのがRunesです。RunesはOrdinalsの開発者であるCasey Rodarmor氏が設計した新しいトークン規格です。

特徴は、「ビットコイン本来の仕組みを活用する」ことです。ビットコインのUTXO構造を利用するため、処理効率が高い・データ量が少ない・ネットワーク負荷が低いというメリットがあります。現在では、多くのプロジェクトがBRC-20からRunesへ移行し始めています。

OP_RETURN利用拡大の意味

近年のネットワーク活動増加の背景として、OP_RETURN利用の増加と言われています。OP_RETURNとは、「ビットコインブロックチェーンに追加データを書き込むための領域」です。

従来のビットコインは送金情報だけを記録する仕組みでした。しかしOP_RETURNを利用することで、証明書・トークン情報・メタデータ・アプリケーション情報などを記録できるようになります。OrdinalsやRunesの利用拡大は、このOP_RETURN需要を大きく押し上げています。

つまり現在のビットコインは、「お金を送るネットワーク」だけではなく、「データを記録するネットワーク」としても利用され始めているのです。

インターネット黎明期と似た構図

エックスウィンでは、この変化を非常に重要なシグナルと考えています。なぜなら、現在起きている現象はインターネット黎明期にも似ているからです。2000年前後のドットコムバブル崩壊後、多くのIT企業の株価は大きく下落しました。

しかしその裏側では、インターネット利用者数・通信量・オンラインサービス利用は増え続けていました。そして、その利用拡大が後の巨大成長の土台となりました。

もちろん、現在のネットワーク活動増加がそのままビットコイン価格上昇につながるとは限りません。現在の活動増加の多くは経済価値の小さいマイクロトランザクションであり、過去の強気相場で見られた大規模資金移動とは性質が異なるとみています。

現在の市場では、

・ETF資金流入の鈍化
・企業需要の減速
・高金利環境
・機関投資家の慎重姿勢

が価格の重しとなっています。

一方で、ビットコインネットワークそのものは活発化しています。これは、「価格サイクル」と「利用サイクル」が分離し始めている可能性を示しています。

弱気相場では価格ばかりに注目が集まります。しかしオンチェーンデータを見ると、価格の裏側では別の成長が進んでいます。「ビットコインを価格だけで判断してはいけない」ことを改めて示していると言えるでしょう。

■ショート動画

ビットコインは送金だけじゃない──今ネットワークで起きていること
https://youtube.com/shorts/tUbnyC4bGUo

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