暗号資産(仮想通貨)ハードウェアウォレット「Coldcard(コールドカード)」の脆弱性に関連するとみられるビットコイン(BTC)の不正流出が拡大している。Galaxy Research(ギャラクシー・リサーチ)の分析によると、3波の資金流出で計4585アドレスから約1367BTC、約8900万ドル(約1424億円、1ドル=160円換算)相当が移動した。
第1波は7月30日1時10分20秒から1時51分26秒(UTC)までの約41分間に発生し、1196アドレスから1082.65BTCが流出した。第3波では、7月31日12時23分から8月1日6時42分(UTC)までに、1912アドレスから約207.73BTCが移動した。
第3波の1アドレス当たりの平均流出額は約0.1BTCまで小口化した。ギャラクシー・リサーチの分析は、高額残高を持つアドレスが多い領域がすでに探索された可能性を示唆している。
送金手法にも変化が確認された。第1波と第2波では複数の被害資金が限られた集約先へ送られたが、第3波では被害アドレスごとに異なる送金先が使われた。資金は、複雑な支出条件を設定できるP2WSH形式の293の出力に置かれたという。ただし、実際のマルチシグやタイムロックの条件は、資金が使用されるまで確認できない。
また、第3波では1回の取引で平均約6.4件の被害アドレスをまとめて処理していた。ギャラクシー・リサーチは、各波の内部では同一主体による可能性が高いとみているが、3波すべてを同じ攻撃者によるものとは断定していない。
問題は、2021年3月に導入されたコールドカードのシード生成処理に起因する。意図したハードウェア乱数生成器ではなく、MicroPythonのソフトウェア疑似乱数生成器が使われ、シードの探索空間が大幅に縮小していた。
攻撃者は端末へ物理的にアクセスせず、候補シードをオフラインで生成して、公開ブロックチェーン上のアドレスと照合できる可能性がある。
Coinkiteは、Mk2、Mk3、Mk4、Mk5、Coldcard Qの対象ファームウェア向けに緊急修正版を公開した。ただし、ファームウェアを更新しても既存の脆弱なシードは修復されない。同社は利用者に対し、修正版を導入後に新しいシードを生成し、少額のテスト送金を行った上で、残りの資金を新しいウォレットへ移すよう求めている。
|文・編集:Shoko Galaviz
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