・ロシア連邦保安庁(FSB)は、Telegram創業者のパベル・ドゥーロフ氏をテロ活動助長の容疑で訴追し、国際指名手配にしたと発表した。
・FSBは、Telegramがウクライナの情報機関やテロ組織、過激派組織に利用されていたチャンネルを削除しなかったと主張している。
・今回の動きにより、ドゥーロフ氏が直面する法的問題はさらに増えた。フランスでの別の刑事捜査も、同氏の渡航制限が解除された後も継続している。
ロシア、テロ活動助長容疑でパベル・ドゥーロフ氏を国際指名手配
ロシア当局は、メッセージングサービスのTelegramがテロ活動を助長したとの疑いを巡り、創業者パベル・ドゥーロフ氏の逮捕を求め、同社との長年にわたる対立をさらに激化させた。
ロシア連邦保安庁(FSB)は7月29日、ドゥーロフ氏をテロ活動助長の容疑で正式に訴追し、国際指名手配にしたと発表した。ロシア通信社インタファクスが報じた。
FSBは、ウクライナの情報機関やテロ組織、過激派組織が、攻撃の調整や実行要員の勧誘、サイバー詐欺に利用していたとされるチャンネル、ボット、グループチャットを、Telegramが削除しなかったと主張している。
FSBは、国際指名手配にどの仕組みを利用するかを明らかにしていない。インターポールもコメント要請に回答しておらず、ロシアが赤手配書を要請したかは確認されていない。
今回の動きに先立ち、2月にはロシアの捜査当局がTelegram創業者に対する刑事捜査に着手したと報じられていた。
当時、ドゥーロフ氏はTelegramへの投稿で捜査が行われていることを認め、ロシア当局がロシア国内からTelegramへのアクセスを制限し、プライバシーと表現の自由を抑圧しようとしていると非難した。
今回のロシアでの捜査により、ドゥーロフ氏は新たな法的問題に直面することになった。同氏は、Telegramを通じて行われた違法行為に関する疑惑を巡り、フランスでも引き続き刑事捜査の対象となっている。
一方、フランス当局は2025年11月、捜査を継続しながらも同氏に対する渡航制限を全面的に解除し、フランス国外への出国を認めた。
ロシアとフランスで並行して進む捜査は、各国政府がコンテンツ管理や国家安全保障、国境を越えた犯罪活動を巡って事業者により重い責任を求めるなか、暗号化メッセージングサービスに対する規制当局の監視が強まっていることを示している。
Telegram、10億人超向け「Gram Wallet」で暗号資産事業を強化
法的な監視が強まるなかでも、Telegramは同サービスに組み込まれるノンカストディアル型暗号資産ウォレットの提供を計画し、デジタル資産戦略の拡大を続けている。
パベル・ドゥーロフ氏は7月21日、Telegramが今夏に「Gram Wallet」を導入すると明らかにした。同氏によると、利用者は手数料なしで暗号資産を即座に送金できるようになるという。
ドゥーロフ氏は今回の提供開始について、「人類史上最大規模となるノンカストディアル型暗号資産ウォレットの展開」になると説明した。ただし、同社は正式な提供開始日をまだ発表していない。
Gram Walletが導入されれば、Telegramの月間アクティブユーザー10億人以上が自己管理型ウォレットを利用できるようになり、個人間のデジタル資産決済へのアクセスが世界規模で広がる可能性がある。
今回の発表に先立ち、TONコミュニティは、ネイティブトークンの名称を「Toncoin」から「Gram」に戻すことを決定した。
Telegramが2018年に公開したブロックチェーン・ホワイトペーパーで使用していた、当初のブランド名を復活させた形だ。
今回のウォレット計画は、TelegramがThe Open Network(TON)エコシステムとの関係を再び深めていることも示す。Telegramは2020年、SECによる提訴と米裁判所の差し止め命令を受け、独自に開発していたTelegram Open Networkと暗号資産Gramの立ち上げを断念した。


