ロシア国営メディアのRIA Novosti(リア・ノーボスチ)が7月2日に報じたところによると、ロシア中央銀行のElvira Nabiullina(エリヴィラ・ナビウリナ)総裁は、9月1日のデジタルルーブル発行に向けて「準備はすべて整っている」と述べた。
同総裁はサンクトペテルブルクの金融会議で、システム上重要な銀行や大手小売業者が接続を義務づけられると説明したうえで、「デジタルルーブルが人々や企業に実際に必要とされ、使いやすいものであってほしい」と語った。
デジタルルーブルは2021年に開発が始まった中央銀行デジタル通貨(CBDC)で、法定通貨のルーブルを補完する。当初は金融・信用機関が取り扱う。
一方、ロシアの独立系大手メディアRBCによると、同中銀・第一副総裁のVladimir Chistyukhin(ウラジーミル・チスチュヒン)氏は、暗号資産(仮想通貨)市場を規制する新法が9月1日に施行され、2027年7月1日まで移行期間が設けられる見通しだと述べた。
移行期間中に事業者は登録やライセンス取得を進め、2027年7月以降は合法・違法な取引を区分するための刑事・行政責任が導入される。ロシアの中銀と財務省は、取引所やブローカーなど5種類の参加者から成る市場の枠組みを定める法案を準備している。
デジタルルーブルは、すでに欧州連合(EU)の制裁対象となっている。EUは4月に採択した第20次制裁パッケージで、デジタルルーブルの開発に対する支援を禁止したほか、ロシア国内の暗号資産事業者への包括的な規制を採択した。ロシアが制裁回避のために暗号資産への依存を強めているとの認識が背景にある。
ロシアとは対照的に、アメリカでは連邦準備制度理事会(FRB)によるCBDCの発行を2030年末まで禁じる法案の成立が目前に迫っている。日本銀行も2021年から実証実験を続けるものの、現金志向の強さなどを理由にデジタル円の発行は決定しておらず、CBDCを巡る各国の姿勢は大きくさまざまだ。
|文・編集:井上 俊彦
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