ポイント
・上値重く6.3万ドルへ失速
・大統領は休会延期求めるもClarity法案の休会前の成立は困難に
・NVIDIA巨額投資と循環懸念で下落、明日のSKハイニックス決算に注目
・ストラテジー社は普通株発行で配当準備および優先株買い戻し
昨日のBTC市場
昨日のBTC市場は上値の重い展開となった。

6.5万ドル(約1,065万円)台で上値を重くすると、今朝方は6.3万ドル(約1,035万円)近辺まで値を落としている。
BTCは月初に5.7万ドル台で切り返すと、利上げ見通しの後退、停戦交渉再開への期待、Clarity法案での進展などもあり、6.7万ドルにあと一歩に迫った。
しかし、同法案の審議入りに必要な60票の確保が難航し、上院共和党のトゥーン院内総務が8月休会前の法案採決を断念したこと、フーシ派による紅海封鎖の動きやETFフローが2日連続で流出したことなどもあり、週末は一時6.4万ドルを割り込んだ。その後、米軍が13日間続いた空爆を停止し、イランも周辺国の米軍基地への攻撃を停止すると表明したことを受け、週明けの先物市場で原油価格が急落。BTCは6.5万ドル台に上昇した。
しかし、NVIDIAがOpenAIに2,500億ドルの債務保証を検討しているとWSJが報じ、週末のSKハイニックスとの5,000億ドルの提携と合わせて7,500億ドルの巨額投資が循環取引を連想させるとの懸念が生じた。米株市場で同社株が大幅安となると、BTCはリスクオフ気味に値を下げていった。イラン問題ではAxiosが「トランプ大統領が交渉の可能性を探るために攻撃を中止した」と報じ、大統領自身も合意の可能性に言及したことで原油価格が80ドル台に低下する中、BTCは若干強含んだ。
しかし、Clarity法案の休会前成立が困難となったことに加え、半導体株の不振から日韓株が大幅下落し、韓国市場で再びサーキットブレーカーが発動する中、BTCは6.3万ドル近辺に値を落としている。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は、引き続き底値を固める展開を予想する。
BTCは強めのレジスタンスである6.7万ドルで跳ね返された後、「7月6日からの上昇の半値戻しとなる6.4万ドル」を少し下回る水準でサポートされたが、今朝方これを割り込んだ。ただし、7月1日からの上昇の半値押しとなる6.2万ドルでサポートされれば、まだ健全な調整の範囲と言える。
イラン情勢はまだ予断を許さないが、WTIは80ドル近辺まで値を下げている。ホルムズ海峡の「支配権」に固執するイランに対し、米側は外交的な包囲網を形成している。クウェート、バーレーンが攻撃に加わり、サウジやウクライナも間接的に戦闘に参加。米英が主導してホルムズ海峡に関する国際会議を計画し、イスラエルのネタニヤフ首相と近く会談する予定だ。交渉の仲介に中国の関与も指摘されている。市場は緊張緩和方向に振れつつある。
一方で、Clarity法案は暗礁に乗り上げている。トランプ大統領はトゥーン院内総務に休会の延期を求めたが、同氏は「60票取れる目途があれば延長するが、現時点ではそれが見込めない」と否定的だ。また投稿で、大統領の最優先事項は選挙人登録に本人確認資料を義務付けるSAVE America法案であることが判明した。仮にClarity法案で審議入りを可能とする60票の確保に成功したとしても、その間他の審議が止まってしまうため、実質的に同法案の休会前成立は絶望的であることが明らかになった。ただし、予測市場での成立確率は38%で変わっていない模様だ。
ストラテジー社は普通株を5.45億ドル分発行し、優先株の配当準備金を5.25億ドル積み増したほか、優先株STRCを2,500万ドル分買い戻し、BTCの購入は見送った。単なる普通株の希薄化による優先株の立て直し策に感じられるが、同社の普通株も優先株も上昇している。
NVIDIAの過大投資と循環取引懸念で同社のCDSが急拡大し、同社株に続き提携先のSKハイニックス株も大きく下落、韓国株はサーキットブレーカーを発動した。韓国内で5,000億ドルのデータセンター投資計画には驚かされるが、いずれにせよ明日予定されている同社の決算発表や、続くGAFAM決算に対する市場の反応次第だろう。
本日は6.2万ドルでサポートされるかがポイントとなりそうだ。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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