ポイント
・6.7万ドルで跳ね返され6.4万ドル台へ
・テクニカル的には自然な調整
・米大規模攻撃示唆、イランも停戦拒否し、合意は遠のく
・Clarity法案、休会前の採決断念、9月先送りへ
昨日のBTC市場
昨日のBTC市場は上値の重い展開となった。

一昨日、6.7万ドル(約1095万円)手前で上値を重くすると、しばらく6.6万ドル(約1080万円)を挟んでもみ合いが続いたが、午後に入りじりじりと値を下げ、海外時間に入ると6.5万ドル(約1065万円)を割り込んだ。
BTCは年初来安値の5.7万ドル台で切り返すと、利上げ見通しの後退や半導体株の回復に加え、週明けに仲介国による10日間の停戦提案が浮上したことで6.5万ドル台後半に値を伸ばした。
さらに、Clarity法案で焦点となっていた倫理規定が盛り込まれ、ベッセント財務長官が「法案成立にあと1ヤードだ」と発言すると、6.7万ドルにあと一歩まで迫った。
しかし、トランプ大統領が和平交渉再開に慎重な姿勢を見せると上昇は一服したが、昨日未明に同法案の草案が公表されると再び6.6万ドル台半ばに強含んだ。これに対し、上院民主党の親暗号資産議員7名が倫理規定の不備などを理由に法案に反対したこともあり、BTCは上値を重くした。さらにフーシ派が紅海を航行中のタンカー2隻を攻撃し、原油価格が上昇すると、BTCは6.5万ドル台半ばに値を落とした。
その後、BitMEXの閉鎖や法案に対するゴールドマン・サックスのソロモンCEOの支持表明などもあり一進一退の展開を続けていたが、トランプ大統領が「フーシ派が民間船舶を攻撃するたびに、それを命じているイランに大規模な攻撃を実施する」としたことが嫌気され、リスクオフ気味に6.5万ドルを割り込んだ。好決算だったインテル株の急騰を受けてBTCも6.5万ドル台に値を戻したが、上院共和党のスーン院内総務が8月休会前の法案採決を断念し、9月採決に向けて準備をしたいと表明。また、ニューヨーク・タイムズがイランがイラク経由で受け取った停戦提案を拒否したと報じると、6.4万ドル台に値を落としている。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は、引き続き底値を固める展開を予想するが、短期的には若干上値を重くしそうだ。
BTCは、底固めの第一関門である6.7万ドルにあと一歩で跳ね返された。ただ、先日来申し上げているように、この水準は6月の戻り高値かつ5月の戻り高値8.2万ドルからのフィボナッチ38.2%戻しとも重なる重要なレジスタンスで、7月6日からの上昇の半値6.4万ドルや、7月初からの上昇の半値6.2万ドル程度までの押し目は、テクニカル的には自然な調整と言えそうだ。
一方で、材料的には心配な動きが散見される。イラクから提示された米国の停戦提案をイランは拒否した。記事によれば、ホルムズ海峡の支配権を認めないいかなる協議も拒否する構えだ。「停戦拒否」「海峡の支配権」と言えば曖昧だが、要はホルムズ海峡のオマーン領海に対する通航制限・許可権限を認めれば、同海域の民間船舶への攻撃を止めてもよいというもので、よく考えれば米側が飲める話ではない。さらに、その範囲を紅海にまで広げる構えで、合意は遠のいた印象だ。
Clarity法案についても動きがあった。倫理規定を加えた草案に対し、民主党の親暗号資産議員7名が倫理規定などの不備を理由に反対を表明した。ただ問題は、交渉の結果である。この7名が賛成に回っても、採決に必要な60票にわずかに届かないことだ。上院共和党は現在53名。亡くなったグラハム議員の補充は完了したが、入院中のマコーネル議員を除けば52名。これに7名を加えても60票に1票足りない。加えてGENIUS法案でも反対に回ったジョシュ・ホーリー、ランド・ポール両議員が再び反対に回る可能性もあり、さらに2票足りない可能性が高い。そうした中、CoinDeskはスーン共和党上院院内総務が夏季休会前の採決を断念し、9月の短い会期での採決を狙って審議の開始を目指すと報じている。
もちろん、最後の1票ともなれば、ロビー活動とインセンティブ付けで土壇場で賛成者が増える可能性もあるが、一方で中間選挙が近づき、投票行動が党派色を強める中、トランプ政権の手柄になる法案に賛成しにくいといった事情も加わり、成立が危うくなっている。
まずは半値押しとなる6.4万ドルや6.2万ドルでサポートされるかがポイントとなる。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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