ポイント
・上値重く6.2万ドル台へ失速
・タカ派FOMCで6.5万ドル明確下抜け
・ストラテジー社の優先株急落で資金調達懸念
・和平材料で6.3万ドルまで持ち直し
昨日のBTC市場
昨日のBTC市場は上値の重い展開となった。

朝方6.5万ドル(約1050万円)を割り込むと、しばらく6.4万ドル(約1030万円)近辺での取引を続けたが、未明に6.2万ドル(約1000万円)台まで値を下げた。
BTCは月初に6万ドルを割った後で切り返すと、3月末の安値サポートとなっていた6.5万ドルに再び上値を抑えられた。しかし週明けに米イラン和平覚書の合意が報じられると、火曜日未明に6.7万ドル台へ値を伸ばした。
19日の署名への懸念が燻る中、BTCは上値を重くしていたが、レジスタンスだった6.5万ドル近辺で下げ渋っていた。しかし昨日未明のFOMCで、参加者の年末金利見通しが利下げから据え置きに変更され、続くウォラー新議長の会見もタカ派的内容だったことから、BTCは6.5万ドルを明確に割り込むと一時6.3万ドル台に値を落とした。
その後、Axiosが和平覚書が電子署名される可能性を報じ、両国とも署名を認めるとBTCは持ち直したが、戻りは鈍く6.4万ドル近辺でのもみ合い推移が続いた。
海外時間に入ると、タカ派のFOMCと和平覚書という強弱材料を受けて米株市場はまちまちな展開となったが、ストラテジー社の優先株STRC価格が一時82ドル台まで急落。同社からの買いが細るとの懸念が浮上し、BTCは6.2万ドル台に失速した。
その後、米軍が海上封鎖の解除を発表し、イランもホルムズ海峡の「自由」通航を認め、実際に船舶の往来が確認されると、リスクオン気味に6.3万ドル近辺まで持ち直している。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は底値を固める展開を予想する。
昨日はタカ派のFOMCと和平合意の発効という強弱材料の間で各市場まちまちな反応を見せたが、BTC市場は下落した。
直接的な原因はETFフローが戻り切っていないことだ。SpaceXのメガIPOを終えて流出傾向には歯止めがかかったものの、まだ流入までには至っていない。ただし、SpaceX株の上昇も一服気味で、下げ止まりが確認されればBTCにもフローが戻ってくると考えるが、まだそのタイミングではないようだ。
利上げ観測は思わぬ副作用をもたらした。月初のストラテジー社の少額売却を受けて100ドル割れで推移していた同社の優先株STRC価格が、FOMC後の金利上昇を受けて90ドルを割り込み、一時82ドル台に急落した。
ストラテジー社は主に普通株と優先株の発行によりBTC購入資金を調達している。同社の説明によると、STRCの価格が100ドル(額面)を上回ったら発行量を増やし、下回ったら配当を引き上げて100ドル近辺で維持することを目指している。従って、この価格が一時80ドル台まで下がったということは、当面はSTRCによる追加の資金調達が難しくなったことを意味する。
ただし、同社は年間配当約17億ドルに対し準備金を11億ドル確保しており、すぐに追加売却が必要な状況でもない。保有BTCの時価総額は5000億ドル以上あり、配当支払い余力は十分にある。また配当率は同社の取締役会が裁量で決定できるため、配当負担で会社が破綻する可能性は極めて低い。今回の下落を過度に心配する必要はないと考える。
しかし、この優先株は債券のような性質を持つため、政策金利や国債利回りが上昇すれば相対的に魅力が低下し、売り圧力がかかった形だ。言い換えれば、売却を契機にした不安感に利上げ観測が火をつけた格好と言える。ただ、82ドル台であれば実質利回りが約14%に跳ね上がる計算となり、足元では89ドル近辺まで値を戻している。
今回の和平について様々な意見を聞くが、少なくともホルムズ海峡は開放され原油価格は下落している。その割にBTCの戻りが鈍いが、足元の下げが一服すれば押し目買いが入ると考えている。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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