暗号資産取引所のCoinbase(コインベース)は6月3日、上場前(IPO前)の非公開企業の価格変動にアクセスできる永久先物取引の提供を開始したと発表した。
「あらゆるものを取り扱う取引所」としての役割をさらに広げる試みで、第1弾としてイーロン・マスク氏率いるSpaceX(スペースX)を上場した。
この商品はUSDコイン(USDC)で決済される永久先物契約で、トレーダーがすでに利用する暗号資産ネイティブの基盤上に構築されている。
株式の所有権も複雑なブローカー登録手続きも不要で、使い慣れた永久先物の形式を新たな資産クラスに適用したものだという。
仕組みとしては、24時間365日取引でき、期限やロールオーバーはなく、損益はすべてUSDCで確定する。
対象企業が実際にIPOを実施すると、ポジションは公式の発行済み株式数に基づき自動的に再調整され、価格は上場後の株価へ移行する。トレーダー側の操作は不要だ。
一方で、コインベースは、この取引が通常の永久先物と大きく異なり、評価額ベースの指数価格やIPO転換リスク、低流動性・高ボラティリティに伴う清算リスクが高いと強調している。
アメリカ居住者には提供されず、当初は「アメリカ以外の対応管轄区域の適格ユーザー」向けに展開する。コインベースは今後、テクノロジー、AI、エネルギー、宇宙などの分野で上場銘柄を順次拡大する方針だ。
IPO前市場への参入は業界全体で過熱状態にあると言っていいだろう。Kraken(クラーケン)の親会社Payward(ペイワード)が同種の取り組みを発表したほか、Binance(バイナンス)は5月にスペースX関連デリバティブを、Bitget(ビットゲット)は4月にIPO前投資商品「IPO Prime」を立ち上げている。
|文・編集:井上 俊彦
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