「5月相場」は本当に崩れ始めたのか──オンチェーンで見るビットコイン月末攻防【エックスウィン】

● BTCは現時点で5月小幅プラス圏を維持しているが、ETF流出と防御的オプション需給が重石となっている。
● オンチェーンでは取引所残高低下とステーブル待機資金が続き、“構造崩壊型の弱気”ではない。
● 最大の分岐点は「76.3K防衛」と「79K奪回」であり、5月末はやや陰線寄りと見る。

5月のビットコイン市場は、非常に象徴的な「綱引き相場」になっている。表面的には価格は大崩れしていない。しかし内部構造を見ると、「制度化による中長期強気」と、「短期フロー悪化による防御相場」が同時進行している。

現在、市場最大のポイントは、「5月を陽線で終えられるか」である。今回の分析では、4月30日終値76,287ドルに対し、5月末終値が上か下かで判定している。その基準では、5月18日時点でBTCは76,952ドルと小幅プラス圏を維持している。しかし、その余裕は極めて小さい。現値は76.6K〜77K近辺で推移しており、わずかな下落で月次マイナスへ転落する位置にある。

重要なのは、「価格」以上に「市場内部」が悪化している点だ。

特に警戒されるのがETFフローである。5月前半は一時的に資金流入改善が見られたものの、その後は再び逆流が鮮明となった。現物BTC ETFでは直近数営業日で大規模流出が続き、短期資金が再びリスク回避へ傾いている。これは、現在のBTC市場が“現物主導の強気”ではなく、“資金フロー依存型”であることを示している。

さらに、デリバティブ市場でも慎重姿勢が強まっている。特にオプション市場では、「価格下落への備え」が増えている状態だ。実際、下落リスクへの警戒感を示す25デルタ・スキューは、短期から中期まで高水準を維持している。つまり現在の市場は、「強気一色」というより、“下落に備えながら様子を見る相場”になっている。

一方で、オンチェーンを見ると、「全面弱気」とは言い切れない。

特に重要なのが、添付のチャート(Bitcoin: Exchange Reserve – All Exchanges):取引所BTC残高の減少である。CryptoQuantのデータでは、BTCの取引所保有量は引き続き低下傾向にあり、全体の供給量は依然として市場外へ移動している。これは長期保有志向が続いていることを意味する。さらに、Exchange Netflowも小幅ながらマイナス圏で推移しており、「大量売却によるパニック流入」はまだ確認されていない。

加えて、添付のチャート(Exchange Reserve – All Exchanges)ERC20ステーブルコインの取引所残高は高水準を維持している。つまり市場には「待機資金」が残っている。これは非常に重要だ。もし完全な弱気相場であれば、ステーブル残高自体も縮小していく。しかし現状は、「BTC現物は減るが、ドル待機資金は残る」という構造になっている。これは“全面撤退”ではなく、“様子見相場”に近い。

オンチェーンを見る限り、市場はまだ“完全な過熱状態”ではない。現在の価格は、投資家全体の平均取得コストに対して一定の含み益があるものの、過去バブル最終局面のような極端な利益過熱には達していない。つまり、「市場全体が熱狂しきった状態」ではなく、中立〜やや強気程度の温度感にとどまっている。逆に言えば、「過熱崩壊による暴落局面」とも異なる。

しかし、短期需給はやや弱い。直近では、動いているBTCの多くが平均的に小幅損失側で移動しており、市場では“戻ったところで売る”動きが優勢になっている。また、ネットワーク上の実際の送金・利用量に対して、時価総額がやや先行して拡大している状態も続いている。これは、価格に対して実需の伸びが追いついていないことを示唆している。

マクロ環境も逆風だ。4月CPIは再加速し、市場では「2026年内据え置き観測」が強まっている。ドル指数も高止まりしており、BTCはNASDAQとの連動性を強めている。つまり現在のビットコインは、“独立した安全資産”というより、“高ボラティリティのリスク資産”として取引されている色合いが強い。

では、5月末はどうなるのか。

現時点で最重要ラインは2つしかない。第一に76.3Kを維持できるか。第二に79Kを奪回できるかだ。私自身は、79K付近を極めて重要な価格帯として認識している。ここを回復できなければ、市場は防御モードを継続しやすい。逆に79Kを明確に回復できれば、ETFフロー改善と合わせて再上昇シナリオが見え始める。

現時点の私の最終判断は、「やや陰線寄り」である。構造的崩壊ではない。しかし、短期フローとマクロ環境が残り10日間では逆風になりやすい。現在のBTC市場は、“強気相場終了”というより、「制度化期待を残しながら、短期需給だけが弱い防御的局面」へ入っているように見える。

■ショート動画

(チャート分析結果)ビットコインはまだ崩壊していない?取引所残高と待機資金を解説【エックスウィン ビットコインリサーチ】
https://youtube.com/shorts/H8elUuoAvKw

(危険信号)ビットコイン市場「5月相場」崩れ始めた?【エックスウィン ビットコインリサーチ】
https://youtube.com/shorts/MvAQEjeYeiM

■オンチェーン指標の見方

Bitcoin: Exchange Reserve – All Exchanges」の見方

取引所に保管されているBTC総量を示す指標で、市場に“すぐ売れるBTC”がどれくらいあるかを見る。残高が減少すると、投資家が自己保管へ移している可能性が高く、中長期保有姿勢が強いと解釈されやすい。特に強気相場初期では、「供給不足(Supply Shock)」の兆候として注目されることが多い。逆に急増する場合は、売却準備やリスク回避による取引所流入が増えている可能性がある。

Exchange Reserve – All Exchanges(ERC20 Stablecoins)」の見方

取引所に保管されているUSDTやUSDCなど、ステーブルコイン総量を示す指標。残高増加は、「まだ買われていない待機資金」が市場内に存在することを意味する。BTC下落局面でもステーブル残高が高水準なら、“全面撤退”ではなく様子見資金が残っていると解釈されやすい。逆にステーブル残高まで減少し始めると、市場全体から資金が抜ける本格的リスクオフに近づく場合がある。

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