暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)の資金流出を悪用し、補償を装って送金を求める詐欺メールが、日本を含む5カ国で確認された。ルーマニアのセキュリティ企業Bitdefender(ビットディフェンダー)が11月3日に調査結果を公表した。
送信先として確認されたのは、日本、米国、ドイツ、アイルランド、フィンランドだ。メールは、補償を受け取るにはウォレットの確認手数料として、指定先にビットコイン(BTC)を0.0042BTC(約5万円、1BTC=1207万円で換算)送る必要があると偽っていた。

バイナンスは、10月29日に約1兆円相当の暗号資産が不正に流出したと発表した。同社は利用者保護基金と自社資金で損失を全額補償する方針を示した。ビットディフェンダーが詐欺メールを確認したのは、事件から数日後の11月1日だった。
詐欺メールは、受信者のビットコインアドレスが未請求の補償対象として登録されていると主張した。手数料は補償金とともに返すとうたい、案件番号や期限を示して送金を急がせる手口だ。
ビットディフェンダーは、暗号資産ウォレットのTrust Wallet(トラストウォレット)をかたる別の詐欺メールも確認した。
こちらはバイナンスの事件を理由に、確認手続きを済ませなければアカウントを停止すると警告し、偽の確認ページへ誘導する。事件前にも、ほぼ同じ文面でウォレットの確認を求めるメールが出回っていたという。

ビットディフェンダーは、補償の受け取りやウォレットの確認を名目とする送金要求に応じず、公式アプリや公式サイトから通知を確認するよう呼びかけている。Binance Japan(バイナンスジャパン)も10月30日、不審なリンクや連絡に反応しないよう利用者に求めた。
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|文:平木 昌宏
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