イーサリアムの量子コンピューター対策、2028年末までに完了の意向

Ethereum Foundation(イーサリアム財団)の研究者Justin Drake(ジャスティン・ドレイク)氏は11月3日、量子コンピューターや人工知能(AI)の進展に備え、2028年12月までにイーサリアムの暗号技術を切り替える意向を示した。

同氏は開発者会議「Devcon 8」の開会式で、「2028年12月までに、量子コンピューターとAIに備えた移行をすべて終えたい」と述べた。また、その日程を前提に、24カ月でさらに3回のネットワーク更新を行う想定を示した。

イーサリアムの一般的なウォレットでは、持ち主は「秘密鍵」を使って取引に署名し、送金を承認する。十分な性能を持つ量子コンピューターが登場すれば、外部に公開される鍵の情報から秘密鍵を割り出し、本人になりすまして送金できる恐れがある。

財団の耐量子対策チームは、ネットワーク全体の切り替えには数年かかるとして、早くから準備を進めている。

財団のプロトコル部門も量子コンピューターへの対策を進めており、2029年12月までに、取引の処理や記録を支えるネットワークの3層すべてで量子攻撃に耐えられるようにする目標を掲げている。

同部門は9月7日付の公式ブログで、2027年1月に外部の専門家の助言を受け、量子技術がどこまで進んでいるかを改めて評価する方針を示した。

ドレイク氏は10月7日のX投稿でも、AIが数学の研究を加速させることで、量子コンピューターに先んじて既存の電子署名方式が破られる可能性を指摘した。同氏はこのリスクを踏まえ、ハッシュ関数を使う暗号技術への移行に向け、準備を進めるべきだとの考えを示していた。

イーサリアム財団のプロトコル部門は、量子攻撃が可能になった場合でもネットワークの稼働を維持できるよう、まず最低限の対策を導入する計画だ。その後、ネットワークの参加者がブロックを承認する際の署名なども切り替え、3層すべての量子耐性を確保する方針だ。

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|文:平木 昌宏
|画像:Devcon公式Xより

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