ビットコイン、「アップトーバー」不発の背景──米国需要の弱さと7万4000ドルの攻防【エックスウィン】

CryptoQuantは「強気相場の冷却局面」と評価

CryptoQuantが10月27日に公表した週間レポートによると、ビットコインは10月25日時点で月初来4.2%下落した。9月末の8万3567ドルから8万51ドルへ値を下げ、10月に上昇しやすいとされる「アップトーバー」への期待は、足元では実現していない。

2020〜2025年の「ビットコイン10月の騰落率」はプラス18.1%だったが、2025年はマイナス3.8%。今年も月末までに回復しなければ、2年連続のマイナスとなる。ただし、過去の平均値は限られた年数と一部の大幅上昇に左右されており、季節性だけで相場の方向を判断することは難しい。

レポートが調整の背景として挙げるのは、需要の縮小、米国勢の買い圧力の弱さ、短期保有者の含み益の減少だ。一方、10のオンチェーン・市場指標をまとめた「Bull Score Index」は、9月下旬などの90から60へ低下したものの、強気圏を維持している。市場は「強気だが冷却中」と評価され、50への低下が中立への移行を示す分岐点となる。

需要が戻らず、投資家の利益の余裕も縮小

まず注目したいのが、推計需要「Apparent Demand(ビットコイン:見かけの需要)」だ。新規発行量と1年以上動いていない供給量の変化から算出するこの指標は、10月25日時点の30日累計でマイナス7万6000BTC。10月14日から12日連続でマイナスとなり、9月下旬の一時的な改善は持続しなかった。

ビットコイン需要と価格の推移を示すグラフ(2025-2026年)— 緑は需要プラス、赤は需要マイナス、青は30日移動平均、黒線はBTC価格。

これは実際の売却量や資金流出額を直接示す数値ではない。ただ、需要のトレンドには改善が見られても、持続的な需要拡大を確認できる状態には戻っていない。「悪化が和らぐこと」と「買い需要が回復すること」を分けて見る必要がある。

米国市場の弱さも目立つ。CoinbaseとBinanceのBTC価格差を示す「Coinbase Premium Index」は、10月1〜25日の全日でマイナスだった。10月24日にはマイナス0.146%と、6月末以来の低水準を記録した。

10月平均もマイナス0.093%と、9月のマイナス0.030%からマイナス幅が拡大した。この指標だけで米国投資家全体の売買は断定できないが、米国側の相対的な買い圧力が弱い状況を示唆する。上昇を持続させるには、買い手の広がりを確認したい。

一方、保有期間1〜3カ月の投資家の含み益率は、9月22日の33.4%から10月26日には8.1%へ縮小。この層の平均取得原価に相当する実現価格は、約7万4041ドルまで上昇した。

含み益の減少は、価格下落と取得原価の上昇が重なった結果だ。比較的高い価格で購入されたBTCが集計対象に入るため、価格が横ばいでも利益の余裕が縮む可能性がある。損益分岐点が近づけば、利益確定や損失回避の売りが増えることも考えられる。

下値では、365日移動平均線の約7万7585ドル、短期保有者の実現価格約7万4041ドル、200日移動平均線の約7万3028ドルが注目される。特に7万4000ドル付近を継続的に下回れば、この保有者層が平均的に含み損へ転じ、売り圧力が強まる可能性がある。

BTC price chart (2025–2026) showing BTC price with 365-day and 200-day moving averages; Oct 25 price ~,051.

レポートは、7万3000〜7万8000ドル帯で下値を支えながら調整が続く展開を基本シナリオとしている。ただし、各水準は日々変動し、反発を保証するものではない。10月28日のFOMCと11月3日の米中間選挙も、今後の変動要因として挙げている。

荒澤の意見|季節性よりも、買い手が戻る条件を見極める

私は今回の相場について、「10月だから上がる」という期待をいったん外し、実際の需要回復を確認する局面だと考えています。価格を押し上げるには、その水準で買い続ける投資家が必要です。

一方、需要の弱さだけを理由に、全面的な弱気相場への移行を決めつけることも避けたいところです。Bull Score Indexは強気圏に残っており、上昇再開の可能性と調整が深まるリスクの両方を見ておく必要があります。

今後確認したいのは、推計需要のプラス転換と、Coinbaseプレミアムの継続的な改善です。1日だけの変化ではなく、数日から数週間にわたって改善が続けば、価格の反発を支える需給への評価を引き上げやすくなります。

価格面では、7万7600ドル付近や7万4000ドル付近での反応に注目しています。ただし、その価格に到達しただけで買い場と判断せず、下落後に水準を回復できるか、需要も改善しているかを合わせて確認したいと考えています。短期保有者の取得原価も動くため、数字を固定して見続けないことも大切です。

FOMCや米中間選挙についても、結果だけで相場の方向を決めつけることはできません。事前予想との差に加え、発表後に現物の買いが入るかが重要です。好材料が出ても、需要が伴わなければ上昇は続かない可能性があります。

エックスウィンとして重視するのは、データに応じて柔軟に対応することです。需要が戻れば評価を引き上げ、重要な水準を割り込んでも買いが戻らなければ、リスクを抑える。調整局面で資金を守り、次の機会に動ける余力を残す姿勢が重要だと考えています。

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ビットコイン「アップトーバー」不発!米国の買いはどこへ?

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