シカゴの連邦地方裁判所は10月5日、違法市場Empire Market(エンパイアマーケット)の共同運営者に懲役40年の判決を言い渡した。
米司法省(DOJ)の10月7日の発表によると、薬物犯罪の共謀罪で有罪を認めたRaheim Hamilton(ラヘイム・ハミルトン)氏には、500万ドル(約7億9200万円、1ドル=158円換算)の罰金も科された。
ハミルトン氏が没収に同意した不正収益には、ビットコイン(BTC)約1230枚(約161億円)のほか、イーサリアム(ETH)24.4枚(約960万円)と米バージニア州の不動産3件も含まれる。
エンパイアマーケットは、ダークウェブ上で違法な商品やサービスを匿名で売買できる市場で、ハミルトン氏らが2018年から2020年に運営していた。この間に仲介した取引は400万件を超え、総額は4億3000万ドル(約681億円)を上回った。
取引の中心を占めたのは、フェンタニル、コカイン、覚醒剤、ヘロインなどの違法薬物で、その純売上高は約3億7500万ドル(約594億円)に上った。市場ではこのほか、盗まれたアカウントの認証情報や個人情報、偽造通貨、ハッキング用ツールも扱われていた。
こうした違法取引を支える市場の設計には、利用者が捜査当局による摘発を逃れ、収益を資金洗浄できるようにする狙いがあった。運営者らは決済手段を暗号資産(仮想通貨)に限定し、資金の流れを隠すため、暗号資産の取引を混ぜ合わせるミキシングサービスの利用を促していた。
サイト内での通信には暗号化を推奨するとともに、販売者については、発送した薬物をどれだけうまく隠したかに基づいて評価する仕組みも認めていた。
もう1人の共同運営者も2025年に薬物犯罪の共謀罪で有罪を認め、約1584BTC(約207億円)に加え、金の延べ棒、自動車3台、不動産2件などの没収に同意した。この共同運営者への量刑は10月中に予定されている。
【次に読む】
» 米政府、ビットコインミキサー「Helix」関連で暗号資産など610億円超を押収
» 暗号資産ミキシング悪用のマネロン、警察が資金ルート特定し逮捕:報道
» 米政府関連ウォレット、約165億円分のBTCとBNBを移動
|文:平木 昌宏
|トップ画像:Adobe Stock


