CryptoQuant 週間レポート|2026年10月8日によると、ビットコインの価格回復に伴い、マイナー(採掘業者)の収益と採算が改善し、売り圧力が和らいでいる。ハッシュレートの回復、大規模な流出の減少、大口マイナーの保有残高の安定は、弱気相場で続いていた供給圧力が一服しつつあることを示している。
ハッシュレートの回復が示す採掘環境の変化
ビットコインは7月の安値5万8,000ドルから約45%上昇し、レポート時点で8万3,000ドルを超えた。同期間に、マイナーの1日当たり総収益は約2,700万ドルから最大4,800万ドルへ増加した。
この改善は、採掘設備の稼働状況にも表れている。ネットワーク全体の計算能力を示すハッシュレートは、7月31日の899 EH/sから962 EH/sへ回復。過去最高値からの下落率は、7月28日の18%から13%へ縮小した。

チャートでは、価格の回復に伴い、ハッシュレートも底を離れて上向いている。採算悪化で停止していた設備が再稼働するなど、マイナーの経営環境が改善していることを示唆する。ただし、ハッシュレートの上昇だけで、今後の価格上昇が決まるわけではない。
採算改善で「売らざるを得ない」圧力が軽減
マイナーは電気代や設備費などを賄うため、採掘したBTCを売却する。収益が落ち込む局面では、保有していたBTCの取り崩しも必要になり、市場への供給が増えやすい。

このチャートに示された「マイナー損益持続可能性指標」は、収益を現在の採掘難易度と比較している。5~8月は主に「報酬が極めて低い」領域にあったが、BTCが7万6,000ドルに達した8月21日以降は、おおむね「適正な報酬」領域へ移行した。
価格上昇が収益を改善し、資金繰りのために保有BTCを売却する必要性を弱める。 この循環が、供給面の改善につながっている。
ただし、取引手数料収入の7日平均は19万5,000ドルから27万5,000ドルへ回復したものの、2025年半ばの40万~80万ドルを下回る。収益の大部分は引き続きブロック報酬に依存しており、BTC価格が再び下落すれば採算が悪化する可能性は残る。
大規模な流出が一服、大口マイナーの残高も安定

また、このチャートでは、マイナーからの流出量と、極端な流出が発生した日が示されている。直近の極端な流出は8月21日の約2万9,000 BTCで、その後は通常の範囲内に収まっている。
ウォレットからの移動がすべて売却を意味するわけではないが、大規模な流出が続いていないことは、売り圧力の緩和を判断する材料となる。
100~1,000 BTCを保有するマイナーアドレスの合計残高も、2025年12月の約6万4,000 BTCから約20%減少した後、9月初旬以降は約5万1,000 BTCで安定している。売却による残高の減少が止まった一方、継続的な積み増しはまだ確認されていない。
荒澤の視点:売り手の変化にも注目したい
私が今回のデータで注目するのは、価格上昇によって、これまで継続的にBTCを供給していたマイナーの行動が変わりつつある点だ。市場を見る際には、ETFや企業などの「誰が買っているか」に加え、「誰の売りが減っているか」も重要になる。
買い需要が維持されるなかで売り圧力が弱まれば、価格を支えやすい環境になる。ただし、売却の一服と、積極的な保有積み増しは区別したい。現段階では、マイナーの経営圧力が和らいだことを確認できても、それだけで持続的な上昇相場を断定するのは早い。
今後は、大口マイナーの残高が継続的に増えるか、そして現物市場への資金流入が続くかを見たい。マイナーの供給圧力の緩和は、市場構造の改善を示す一つの材料だ。それが需要の持続と重なるかどうかが、次の上昇の強さを判断するポイントになる。
ショート動画
ビットコインの売り圧力が減少?マイナーに起きた変化
https://www.youtube.com/watch?v=kOMpYjlLApk
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