テザー、米ドル以外の法定通貨連携を加速──中央銀行と自国ステーブルコインを共同検討へ

ステーブルコイン発行大手のTether(テザー)は10月7日、カザフスタン国立銀行(NBK)と同国のアラタウ市当局との覚書締結を発表した。自国通貨テンゲに連動するステーブルコインの構想と試験導入案を共同で検討する。

テザーは、米ドル連動のステーブルコイン「テザー(USDT)」に加え、各国の自国通貨のデジタル化にも関与を広げている。

5月25日には、ジョージア政府の支援を受け、同国通貨ラリに連動するステーブルコイン「GEL₮」の発行計画を発表した。今回はカザフスタンの中央銀行と協力し、テンゲ連動型のステーブルコインを検討する。

今回の協力には、ステーブルコインだけでなく、現地資産をブロックチェーン上で発行・管理する「トークン化」の検討も含まれる。

ステーブルコインについては、3者が海外の発行モデルを調査し、具体的な用途を検討する。USDTが米ドルの価値に連動するのに対し、今回検討するステーブルコインはテンゲの価値に連動する。

一方、資産のトークン化では対象資産を選び、特別な法制度の下でデジタル金融拠点を目指すアラタウ市で試験事業を進める方針だ。

この資産のトークン化に活用が検討されているのが、テザーの基盤Hadron by Tether(ハドロン・バイ・テザー)だ。株式や債券、ステーブルコインなどの発行・管理に対応し、本人確認などの機能も備える。

テザーは自社でステーブルコインを発行するだけでなく、こうした基盤を通じて、企業や政府によるデジタル資産の発行を技術面から支援する事業も進めている。

通貨のデジタル化を巡っては、中央銀行と民間事業者の役割分担も論点となる。日本では、日銀が2023年4月から中央銀行デジタル通貨(CBDC)のパイロット実験を進めている。導入する場合の仕組みとして、日銀が台帳を管理し、民間事業者が顧客対応を担う案などが検討されている。

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|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock

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