【墨汁うまい氏寄稿】ビットゲット約559億円ハッキング、それでも「ハッキングは買い」と考える理由

暗号資産(仮想通貨)専業11年目の墨汁うまい(@bokujyuumai)です。大手暗号資産取引所のビットゲット(Bitget)がハッキングされ、巨額の暗号資産(仮想通貨)が流出し、2025年11月の韓国暗号資産取引所Upbit以来の巨額ハッキングとなっているのです。

本稿ではビットゲットのハッキング被害と暗号資産市場に対する影響について墨汁うまいがどう考えているのかわかりやすく解説を行います。

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ビットゲットで約559億円のハッキング被害

世界大手の暗号資産(仮想通貨)取引所ビットゲット(Bitget)は2026年9月24日、一部のホットウォレット及びウォームウォレットから巨額の送金が1つのウォレットに対して行われていることがオンチェーン分析で判明。その後ビットゲットのCEO、グレーシー・チェン(Gracy Chen)氏がハッキング被害であることを認め、当初約3.516億ドルと発表されていた被害額は、その後の調査で約3.875億ドルまで拡大、2026年最大規模の暗号資産ハッキング事件の一つとなったのです。

ビットゲットの調査によると、ハッカーは内部システムに潜り込み、秘密鍵などの複製や盗難されたのではなく、ウォレットシステム自体から不正出金をしたとされています。このハッキング被害に対し、ビットゲットは4.64億ドル以上を保有する「ユーザー保護基金(User Protection Fund)」で被害額を全額カバーすると発表。今回は、世界大手Bitgetで一体何が起きたのか、巨額ハッキングの手口とその対応について見ていきましょう。

ビットゲットのハッキング原因

ブロックチェーンセキュリティリサーチ企業のスローミスト(Slowmist)によると、主なハッキング原因は第三者セキュリティプロダクトのゼロデイ脆弱性を利用され、ビットゲット内部システムに侵入を許してしまったことであるとしています。

この内部システムへの侵入は致命的であり、従業員IDや内部権限を悪用してウォレットシステムに侵入、そこで偽の出金命令を生成してシステム側からのホットウォレットからの暗号資産流出をしたというのが今回の経緯となっているのです。

また今回のハッキングの最初の攻撃段階は実は8月31日となっており、第三者セキュリティプロダクトAのゼロデイ脆弱性を既に利用しており、ここからプロダクトBに管理者権限でアクセス、そして最終的にウォレットシステムに侵入して出金テストを行っていたことが判明しているのです。

従って今回のハッキングはビットゲットのセキュリティというより、他のプロダクトに依存し、そこにゼロデイ脆弱性があったことで入られたというコインチェックなどとは異なる巧妙な手口といえるでしょう。

また不正アクセスは既に約1ヶ月前に起きており、そこを検知できなかったことで500億円を超えるハッキング被害を起こしてしまったということになるのです。

2018年のコインチェックに次ぐワースト4位

では今回のビットゲットハッキングにおける被害額についてみていきましょう。暗号資産取引所におけるハッキング被害の世界ワースト1位はいうまでもなくバイビット(Bybit)であり、約2180億円と頭一つ抜けており、次に2022年のFTX破産後のハッキング、そして仮想通貨バブルの終わりとなったコインチェックの約580億円です。

ビットゲットはコインチェックに迫る被害額となっており、これはマウントゴックスの約510億円を超える被害額で、全体でワースト4位となる巨額ハッキングだったことがわかります。

日付・仮想通貨取引所・国・被害額・被害仮想通貨の表。最初の行は2025年2月21日 Bybit UAE 2,180億円、約401,347 ETH/約90,375 stETH など。今後の行はFTX、コインチェック、Bitget、マウントゴックスの事例を含む。

出典:墨汁うまいと学ぶ仮想通貨の世界 – 暗号資産取引所の巨額ハッキングランキング

これは現状リスクオンでアルトコインが上昇しており、アルトシーズンが開幕しそうな気配がある現在、もし上昇トレンドの中盤や終盤だった場合には被害額が1000億円を超えていた可能性があったといえるでしょう。

アノマリー「ハッキングは買い?」

暗号資産には「ハッキングは買い」というアノマリーがあり、これは

「ハッキングで下落した場合、買いの最大のチャンスとなる可能性」

を示唆しています。

というのも巨額のハッキングでビットコインなどが下落してトレンドが傾いたのは2014年のマウントゴックスの約75万BTC及び破産、2016年のビットフィネックスの約12万BTC、2018年のコインチェック及びザイフという例以降は100億円規模の被害でも、ほとんど誤差レベルの下落からの高騰というケースが一般化したことから言われている格言です。

これは2014年や2016年はビットコインの市場供給量に対する被害額の大きさが理由であり、既に高い流動性を誇る暗号資産では、ハッカーがDeFiなどの分散金融を利用したとしても、10%もの下落にも至らないことが原因でしょう。

従って現在のリスクオン相場となっている暗号資産において、ビットゲットのハッキング被害は破産にも至らなかったことからも、今回も「ハッキングは買い」となると市場が考える可能性が高いと墨汁うまいは考えています。

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