JPYC価格乖離受け、韓国金融委がマーケットメイク制度導入を検討

韓国金融委員会が暗号資産(仮想通貨)市場にマーケットメイク制度を導入する方向で検討していると、韓国メディアのデジタルアセットが9月28日報じた。

発端となったのは、日本円ステーブルコイン「JPYC」の韓国上場である。JPYCは原則1JPYCを1円で発行・償還できる設計で、9月17日に韓国のUpbit(アップビット)に上場した。

ところが、上場当日の価格は円ウォン相場から換算した基準価格の4倍超にまで達した。聯合ニュースが9月27日に報じたところでは、9月17〜21日に基準価格より高い価格で買った投資家は2万1219人、買付総額は2598億5519万ウォン(約280億円、100ウォン=10.8円換算)にのぼった。

9月21日時点の全体の評価損は約50億3000万ウォン(約5億4000万円)と、聯合ニュースは伝えている。

金融委のユ・ヨンジュンデジタル金融政策官は28日、ソウルで開かれたカンファレンス「ザ・ブリッジサミット2026」で、JPYC上場時の価格急変による利用者被害を例に挙げたと、デジタルアセットは報じた。

現行の暗号資産利用者保護法ではマーケットメイク行為が禁じられている。

マーケットメイクは、専門の事業者が売り注文と買い注文を常に出し、取引が成立しやすい状態を保つ仕組みである。

同政策官は、注文の執行や不正取引の監視といった取引機能を、業界の自主規制から公的な規律の体系へ移す時期だとの認識も示したという。

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|文:栃山直樹
|画像:Adobe Stock