トランプ米政権は、民間企業との共同事業を通じ、ドル建てステーブルコインの海外利用を促す構想を検討している。ドルの基軸通貨としての地位を支え、米国債の需要拡大につなげる狙いだ。Bloomberg(ブルームバーグ)が9月23日に報じた。
ステーブルコインは、ブロックチェーン上で発行・移転され、1枚=1ドルなど法定通貨とほぼ同じ価値を保つよう設計されたデジタル通貨だ。ビットコインのような大幅な値上がりを目的とするものではなく、送金や決済、暗号資産取引の資金移動などに使われる。
構想の背景には、2025年7月に成立したGENIUS(ジーニアス)法がある。同法は決済用ステーブルコインの連邦規制枠組みを整え、発行体に米ドルや短期米国債などによる1対1の裏付けを求めた。
米財務省は8月17日、同法の施行に向けた規則案を公表し、一般からの意見募集を開始した。同法は2027年1月18日に施行される予定だ。
ドル建てステーブルコインの発行が増えれば、発行体は準備資産も積み増す必要がある。このため、海外での普及はドル需要だけでなく、短期米国債の買い手を増やす効果が期待される。米財務省によると、ステーブルコイン発行体はすでに約2000億ドル相当の米国債や満期の短い政府証券を保有している。
ただし、発行額の増加が同額の米国債購入に直結するとは限らない。ジーニアス法は現金や銀行預金、米国債を担保とするレポ取引、マネー・マーケット・ファンドなども準備資産として認めている。利用者がもともと保有していたドルをステーブルコインへ交換する場合、新たなドル需要も限定的になる。
構想には米財務省や米国務省、米国際開発金融公社(DFC)が関与するという。ただし、計画は検討段階にあり、対象国や提携企業、資金規模、実施時期などは明らかになっていない。
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|文:平木 昌宏
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