プライバシー系Zcash、時価総額9位に──クラリティショックのなか急伸

暗号資産Zcash(ジーキャッシュ、ZEC)が急伸している。

9月17日のCoinMarketCapによると、ZECは直近24時間で20%近く上昇し、一時1380ドル台まで値を上げた。時価総額も230億ドル規模(約3兆5880億円、1ドル=156円換算)に拡大し、Hyperliquid(HYPE、時価総額約200億ドル)を抜いて時価総額ランキング9位に浮上している。

前日16日には米上院が暗号資産の市場構造を定めるクラリティ法案の審議入りに向けた手続き採決を否決し、これをきっかけに強気に傾いていたポジションの巻き戻しが広がった。

CoinDeskによると、24時間で先物の強制清算は5億7000万ドルを超え、ビットコイン(BTC)やエックス・アール・ピー(XRP)など主要銘柄が軒並み軟調に推移した。相場全体が値を下げるなかでZECだけが大きく逆行高となっており、値動きの異質さが際立っている。

値上がりの背景にあるのは、Zcashコミュニティが8月下旬から9月14日にかけて実施した投票だ。

Zcashには、次のアップグレードにどんな変更を取り入れるかをコイン保有者自身の投票で決める仕組みがあり、今回は取引の承認にかかる時間(ブロック生成間隔)を75秒から25秒へと大幅に短縮する提案などが、多数の賛成で承認された。

発行量が段階的に半分になっていく現在の仕組み(ビットコイン型の半減期)を維持する案にも多くの支持が集まっている。

投票にはプライバシー保護を重視するZcashらしく、誰がどれだけの重みで投票したかを外部に明かさないまま集計できる、匿名性を保った仕組みが使われた。

結果は14日にまとまり、ZECへの買いが強まっていった。

実際、Zcashの強さは今回に限った話ではない。オンチェーン分析のGlassnodeによれば、プライバシー系セクターの時価総額はこの1年で71億ドルから336億ドルへと拡大し、ビットコインなど他分野が軒並み値を下げるなかで唯一、2025年10月につけた高値を上回る水準にある。

中心はZECで、直近1年の上昇率は2496%に達した。1年前は時価総額200位圏外(82位)に過ぎなかった。

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|文:栃山直樹
|画像:Adobe Stock