ポイント
・一時7.5万ドル割れ
・Clarity法案49:50で否決
・FOMC利上げはほぼ確定、ホワイトハウスもGOサイン
・FOMC後の長期金利の注目
昨日のBTC市場
昨日のBTC市場は上値の重い展開。

朝方、7.9万ドル(約1225万円)台で上値を重くすると、じりじりと値を下げ、今朝方には一時7.5万ドル(約1160万円)を割り込んだ。
BTCは8.2万ドルで上値を押さえられると、強めの雇用統計や米・イランの攻撃の応酬、さらにレイバーデー明けのETFフローが売り先行だったこともあり下落した。金曜日のCPI直後には7.6万ドル近辺まで値を下げた。
しかし週明け(現地時間日曜日)、ルミス議員がホワイトハウスは倫理条項に合意したとしてClarity法案の修正案を公表すると、予測市場で年内成立確率が3割台に回復するなか、BTCは7.9万ドル台後半まで値を戻した。
ところが、この修正案に対し民主党や関連ロビーから異論が噴出した。月曜夜には民主党が対案を提示し、予測市場の成立確率は急低下、BTCもじりじりと値を下げていった。
表向きは倫理条項の不足などを掲げるものの、土壇場での対案作成は、共和党の譲歩に同調する民主党議員を止め、不成立の責任を転嫁する意図が見え見えだった。審議入りに必要な60票の確保は、到底難しいと見られたからだ。
海外時間に入ると超党派での両党案の交渉が不調に終わり、リビアでの油田停止やサウジの紅海側での出荷停止を受けて原油価格が急騰するなか、BTCは7.6万ドルを割り込んだ。ハセット国家経済会議委員長が翌日のFRB決定を尊重するとしたことも、相場の重しとなったか。
その後、原油の上昇が一服するとBTCは切り返したが、注目のClarity法案の審議入り投票が49対50で否決されると、一時7.5万ドル割れまで失速した。足元では7.6万ドル近辺での取引となっている。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は底堅い展開を予想する。
昨日、Clarity法案の採決は否決された。正確には審議入り動議に対する討論終結(クローチャー)投票であり、必要とされる60票には遠く及ばない結果となった。民主党側は全員が反対し、共和党からも4票の造反が出た。なお、トム・ティリス議員の反対は、再考慮動議を提出するための技術的な票だった。
決め手は直前の民主党の対案提出である。表向きは「倫理規定」だが、民主党の意図はこの国会で暗号資産の法制化を通さないことにある。地銀ロビーを守り、共和党に手柄を渡さない。だから採決前夜に対案を出し、反対の体裁だけ整えた格好だ。直前まで審議入りや超党派合意を目指していた民主党議員も、「勝ち馬」に乗った。中間選挙の結果次第ではあるが、同法案の廃案はほぼ確実となった。
ただし、同法案で重要な点は、暗号資産の所管をSECからCFTCへ移し、ゲンスラー委員長時代の訴訟ラッシュを避けることだ。この点については、両委員会が別規則で規定する方向にある。ただ市場としては、上値を攻める材料を失った格好だ。
本日はいよいよFOMCである。すでにCME先物の織り込みは9割を超えており、利上げが確実視されている。新議長はホワイトハウスと近いとお伝えしてきたが、日曜日のCNNに続き、昨晩のCNBCでハセット委員長が「FRBの決定を尊重する」と発言したことは、ホワイトハウスからのGOサインと見てよさそうだ。
問題はその後の値動きである。初回利上げでは、「利上げするかもしれない」という最大の金利上昇材料が剥落し、将来のインフレ観測が後退することで利回り曲線が平坦化し、長期金利が低下する傾向がある。そうした利上げ後の市場の反応が焦点となる。
BTCは下値を切り下げたが、これで下降チャネルの形になりつつある。急騰後の下降チャネルは上昇フラッグという、BTCでしばしば出現する勝ちパターンだ。材料的には短期的に厳しい状況が続きそうだが、長期的に見れば悪くない展開なのかもしれない。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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