新経済連盟(新経連)は9月11日、暗号資産(仮想通貨)の取引益に一律20%の申告分離課税を適用するよう求めた。国内の取引所を介さず、個人同士で直接売買した場合も対象に含める考えだ。
同日公表した2027年度税制改正提言で示した。申告分離課税とは、暗号資産の利益を給与などの所得と分け、一定の税率で税額を計算する仕組みである。

現在、暗号資産の利益は原則として給与などと合算される。所得が多いほど税率も上がる仕組みで、住民税を合わせた税率は最大55%となる。
一方、2026年度税制改正では、一定の暗号資産取引に20%の申告分離課税を導入する制度が盛り込まれた。内訳は所得税15%、住民税5%である。
ただし、すべての取引が対象になるわけではない。暗号資産取引業者が取り扱い、金融商品取引業者登録簿に登録された「特定暗号資産」を、同業者を通じて譲渡する場合などが対象となる。

このため、同じ暗号資産を売って利益を得ても、どこで、どのように取引したかによって税率が変わる可能性がある。個人間で直接売買した場合などは、20%の対象から外れることが想定される。
新経連は、こうした取引経路による税制上の違いをなくし、個人間取引にも同じ申告分離課税を適用するよう求めている。
また、損失を翌年以降の利益から差し引ける仕組みも提案した。政府の方針では、対象となる取引の損失を最長3年間繰り越せる。新経連は、この仕組みも個人間取引を含む幅広い取引に認めるよう求めた。
暗号資産をめぐっては、規制の土台を資金決済法から金融商品取引法へ移す改正法が7月15日に成立した。利用者保護や情報開示、市場での不正行為を防ぐルールなどが整備される。
20%の申告分離課税は、改正法が施行された年の翌年1月1日以降に始まる予定だ。具体的な開始時期や対象となる暗号資産は、今後の制度整備によって決まる。
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|文:平木 昌宏
|画像:新経済連盟、金融庁の資料よりキャプチャ