【独自】自民議連、予測市場を検討テーマに──賭博法との整理焦点に

選挙結果や経済指標など、将来起きる出来事を予想して取引する「予測市場」の取り扱いについて、自民党内の議員連盟である「デジタル先端金融議員連盟 」で検討を始める見通しであることが9月15日までに、NADA NEWSの党関係者への取材で分かった。

同議連は2023年、商品先物取引の推進を目的に活動してきた「商品先物取引推進議員連盟」を発展・解消させる形で設立された。ネット銀行や証券会社、暗号資産(仮想通貨)取引所などが参加し、金融制度のデジタル化を進めている。

予測市場で扱われるテーマは広く、将来のビットコイン(BTC)価格から米中間選挙、スポーツの勝敗予想まで多岐にわたる。

Polymarket page showing a multi-line chart of political party betting trends for 2026 midterms, with a right-side buy panel visible.
〈Polymarket(ポリマーケット)の日本語サイト:閲覧はできるものの実際の売買取引は制限されている〉

参加者は自分の予測が当たれば利益を得られ、外れれば損失を被る仕組みだ。

米国のKalshi(カルシ)やPolymarket(ポリマーケット)といったプラットフォームが代表格で、選挙や経済指標を対象にした取引が急速に規模を広げ、世論調査に匹敵する情報源として注目されている。月間取引高は数百億ドル規模に上るほか、2030年には1兆ドル規模に達するとも予測される。

一方で、倫理面や規制面の懸念も指摘されている。米ニューヨーク州司法長官は4月21日、Coinbase(コインベース)とGemini(ジェミニ)の予測市場サービスを州法に抵触する違法賭博だとして提訴し、総額34億ドルの賠償を求めた。

日本でも4月21日、参議院財政金融委員会で予測市場が議題に上った。

国民民主党の原田秀一参議院議員が国会で初めて予測市場を取り上げ、米国では世論調査を超える新しい情報市場として急拡大していると指摘。経済予測や災害対応などへの活用の是非を質問した。

答弁に立った金融庁の井上俊剛企画市場局長は、予測市場を所管する規制法は同庁内には現在ないとしたうえで、賭博とみなされかねない点を踏まえ「極めて慎重に対応する必要がある」との考えを示していた。

予測市場をめぐっては、日本の現行法下では、自己資金を投じて結果に応じた財産の得喪を争う仕組みが刑法上の「賭博罪(185条)」に該当する可能性を排除できない。日本市場への参入にあたっては適法性の確保が前提となる。

そのため導入や事業展開への壁は依然として高いものの、今回、自民党の議員連盟が予測市場を論点の一つとして扱うことに決めた意義は大きい。取材した党関係者は、国内でも興味を持つ事業者が多いと述べたうえで、KalshiやPolymarketの幹部が近く来日する計画があるとも明かした。

別の党関係者によると、現時点では制度化に向けた本格的な検討に入る前段階ではあるものの、情報共有と動向把握を行っていくという。

今後は米大手事業者や国内事業者へのヒアリングを進め、論点整理を進めていく方向とみられる。

|取材・文:橋本祐樹
|トップ画像:Adobestock

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