Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)の全社リサーチ責任者Alex Thorn(アレックス・ソーン)氏は9月3日、暗号資産(仮想通貨)のハードウェアウォレット「COLDCARD(コールドカード)」を巡る不正流出事件で、第3波の攻撃者が盗んだビットコイン(BTC)を初めて移動したとXで明らかにした。
攻撃者は盗難資金の一部を、異なるブロックチェーン間で暗号資産を交換できるクロスチェーン型の分散型取引所(DEX)THORChain(ソーチェーン)を通じて、イーサリアム(ETH)に交換したという。
ビットコインからイーサリアムへチェーンをまたいで資金を移したことから、攻撃者が資金の追跡を難しくするため、資金洗浄(マネーロンダリング)を試みている可能性がある。

今回の動きは、COLDCARDのシード生成時の不具合を悪用したとされる一連のビットコイン流出事件の続報にあたる。
ソーン氏によると、第1波から第3波に分類される一連の攻撃で、盗難資金が攻撃者の当初のアドレスからオンチェーン上で移動したのは今回が初めてで、第3波で盗まれた資金の約90%は、現時点でも動いていないとしている。
また、攻撃者はソーチェーンでの交換時に一部の取引が返金されるなど問題に直面しているものの、残る資金の交換を繰り返し試みているという。
ソーン氏は、ソーチェーンを経由した資金を新たなイーサリアムアドレスまで追跡し、その情報を関係当局や暗号資産関連企業に共有したと説明している。
さらに、攻撃者が今後、イーサリアム上で資金の流れを難読化したり、規制対応の緩い取引所を通じて資金を移したりできるかは「今後次第」としている。
コールドカードを開発するCoinkite(コインカイト)は7月30日、秘密鍵の元となるシードの生成時に、十分なランダム性を確保できないファームウェア上の不具合があったことを公表しており、攻撃者は弱いシードから秘密鍵を再生成し、資金を盗んだとされる。
ソーン氏が8月24日に公表した集計では、一連の攻撃で8865のアドレスから計1789.28BTC、盗難時の価値で約1億1470万ドル(約184億円、1ドル=160円換算)が盗まれたとみられている。
|文:平木 昌宏
|画像:COLDCARD公式サイトより


