金融庁が、信託銀行の発行する信託型ステーブルコインについて、個人が換金する際などに事業者へ課される支払調書の提出義務を見直すよう求める方針だと、日本経済新聞が8月24日報じた。近くまとめる税制改正要望に盛り込む見通しだという。
信託型ステーブルコインは、利用者から預かった円などを信託銀行が管理し、そのお金を受け取る権利をデジタル化したものだ。法律上は「特定信託受益権」と呼ばれ、「第3号電子決済手段」に分類される。
日本では2023年6月施行の改正資金決済法により、円やドルなどの法定通貨と連動し、同額で換金できるステーブルコインが「電子決済手段」として制度化された。
電子決済手段に当たるステーブルコインは、ビットコイン(BTC)などの暗号資産とは法律上、別のものとして扱われる。
信託型の特徴は、1回に送金できる金額や保有残高について、法律上の上限が設けられていないことだ。
一方、日本経済新聞によると、個人が信託型ステーブルコインを100万円超で売却・換金する場合、買い取る事業者には支払調書の提出義務が生じる。支払調書には、個人の氏名や支払額などを記載する必要があるという。
同紙によると、こうした手続きには個人番号の収集や管理を伴うため、事業者の実務負担が大きい。パブリックチェーン上で幅広く流通させるうえで、税務上の課題になっているという。
また、こうした手続きの負担が、信託型ステーブルコインをパブリックチェーン上で幅広く流通させるうえで課題になっているという。金融庁は、決済に使われる信託型ステーブルコインについて、支払調書の提出義務を見直すよう求める方針だ。
国内では6月24日、SBI新生信託銀行が信託型円建てステーブルコインJPYSC(ジェイピーワイエスシー)を発行した。現在はSBI VCトレードの口座内でのみ利用でき、外部ウォレットへ送ることはできない。
日本経済新聞は、見直しが実現すれば、自動車や住宅など100万円を超える高額な支払いにも利用しやすくなるとしている。SBIグループも、公式発表で、企業間決済や加盟店への代金精算、トークン化された株式や債券などの決済をJPYSCの想定用途として挙げている。
|文:NADA NEWS編集部
|トップ画像:Adobe Stock


