米ヘッジファンド大手Bridgewater Associates(ブリッジウォーター・アソシエーツ)創業者のRay Dalio(レイ・ダリオ)氏は、米財務省による国債買い戻しの拡大や米国債市場の動向を踏まえ、米政府の財政状況は「転換点」にあるとの認識を示し、投資家に対して債券の比率を抑え、金やビットコイン(BTC)を組み入れることを提案した。
ダリオ氏はLinkedInへの投稿で、日本政府による米国債売却、米長期国債利回りの上昇とドル安、さらにスコット・ベッセント財務長官による米国債買い戻しの拡大という3つの動きが、自身の著書で示した「大きな債務サイクル」の典型的なパターンに合致するとの見方を示した。米財務省の統計でも、日本の米国債保有額は6月に前月から減少しているが、保有者別の売却主体までは明らかになっていない。
同氏は、政府の債務負担が拡大すれば、利払いや元本返済が他の財政支出を圧迫し、最終的には国債の借り換えが難しくなる可能性があると指摘。国債への需要不足を補うため中央銀行が大量の国債購入に動けば、通貨価値の下落やインフレにつながる恐れがあると説明した。
米国の財政については、年間歳入を約5兆5000億ドル(約880兆円、1ドル=160円換算)、歳出を約7兆5000億ドル、財政赤字を約2兆ドルと試算した。政府内保有分を除く債務は約32兆ドルと年間歳入の約6倍に達し、約1兆ドルの利払いに加え、満期を迎える約10兆ドルの元本を含めると、年間の債務返済・借り換え額は約11兆ドルに上るとしている。
ダリオ氏は解決策として、財政赤字を国内総生産(GDP)の3%まで引き下げる「3%・3本柱」の戦略を提唱。政府支出の削減、税収の増加、金利低下を同時に進める必要があると主張した。ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)が人為的に金利を押し下げることには否定的な見方を示している。
債務危機の時期については、政策や戦争などによって前後するとした上で、現在の軌道が変わらなければ「3年後、前後2年程度」と予想した。これは確定的な予測ではなく、同氏自身も不確実性を認めている。
投資戦略では、債券などの負債資産をアンダーウェイトし、財政状態の健全な国や複数の資産クラスへ分散することを推奨。その上で、ポートフォリオの10~15%程度を金に配分し、さらに「少量のビットコイン」を保有するとの考えを示した。ダリオ氏は、10~15%程度の金を組み入れることでポートフォリオのリスクを抑え、リターンを高める可能性があるとしている。
|文・編集:Shoko Galaviz
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