DeFi利回りの98%は暗号資産市場由来と推定──Rippleら3社、企業融資で依存脱却へ

・Ripple(リップル)、Clearpool(クリアプール)、Cicada Partners(シケイダ・パートナーズ)は、XRP Ledger(XRPL)上で、機関投資家が資金を提供する企業向け融資モデルを開発している。
・フィンテック企業や決済企業、暗号資産(仮想通貨)関連企業への融資では、RLUSDを基盤資産として活用する。
・機関投資家の資金を実体経済に基づく信用と結び付けることで、分散型金融(DeFi)が暗号資産市場由来の利回りに依存する現状の転換を目指す。

リップル、クリアプールおよびシケイダ・パートナーズとXRPL向け実体経済融資基盤を開発

リップルは8月20日、クリアプールおよびシケイダ・パートナーズと提携し、XRPL上で機関投資家の資金を企業向け融資につなぐ信用基盤を開発すると発表した。

今回の取り組みでは、クリアプールの融資インフラ、シケイダ・パートナーズの信用審査能力、リップルの投資資金を組み合わせる。フィンテック企業や決済企業、暗号資産サービス事業者など、運転資金としてステーブルコインを利用する企業を対象とする。

クリアプールは、XRPLのネイティブ機能として提案され、現在バリデータによる投票が行われている「Lending Protocol」と「Single Asset Vault」を用いて信用基盤を構築する。同社は、プロトコルを開始した2022年3月以降、プラットフォーム上で総額9億3000万ドルを超える機関向け融資を取り扱ってきた。

シケイダ・パートナーズは、融資案件の組成と管理、借り手に対するコベナンツ(融資契約上の誓約条項)の設定、信用状態の監視を担う。同社によると、チームは総額8億6000万ドルを超える信用審査・引受経験を持つ。

リップルは、他の機関投資家とともにリミテッド・パートナー(LP)として参加する。ただし、同ファンドの損失を特別に補填する役割は担わない。

RLUSDを融資の実行・返済に使う資産とし、XRPLは融資、ボールト(資産プール)管理、コンプライアンスに関する機能を提供する設計だ。「Permissioned Domains(許可制ドメイン)」「Credentials(資格証明)」「Clawback(発行者による発行済みトークンの回収)」などの機能により、機関向けに利用資格や資産に対する追加的な管理機能を提供できる。

クリアプールがインフラ、シケイダ・パートナーズが融資組成と信用審査、リップルが他の機関投資家とともに資金を拠出

3社は、現在のDeFiで得られる利回りの大半が、実体経済への資金供給につながる融資ではなく、暗号資産市場内の活動によって生み出されていると指摘する。

3社は共同声明で、DeFiの利回りの推定98%が、ルーピング(資金の循環運用)、裁定取引、ベーシス取引、ポイントプログラム、流動性マイニングなどの仕組みから生じていると説明した。

一方、ステーブルコインの利用とトークン化されたプライベートクレジット市場は拡大を続けている。3社が引用したデータによると、2024年のステーブルコイン取引高は27兆ドルを超え、トークン化されたプライベートクレジットの発行額も100億ドルを上回った。

今回提案されたモデルは、機関投資家である貸し手と、ステーブルコイン建ての運転資金を必要とし、資金調達コストを負担する企業を結び付けることを目指す。

クリアプールがインフラを提供し、シケイダ・パートナーズが融資案件の組成と信用審査を担う。リップルは、他の機関投資家とともに資金を拠出する。

クリアプールは現在、XRPLの開発ネットワーク「Devnet」上で統合機能の開発とテストを進めている。技術デモでは、融資プールの作成から返済までの一連の融資プロセスが示される予定だ。

「Lending Protocol」と「Single Asset Vault」をメインネットで有効化するための改正案についても、現在XRPLのバリデータによる投票が行われている。

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