・リップル・プライムは、発行額を増額した2億7500万ドル規模のシニア無担保債の募集を完了し、KBRAから投資適格級の「BBB」格付けを取得した。
・米財務省による国債買い戻し拡大計画と米国債利回りの低下を背景に市場全体でリスク選好が強まり、エックス・アール・ピー(XRP)は24時間で約10%上昇し、1.10ドルに達した。
・エックス・アール・ピー(XRP)の建玉は24時間で3.55%の増加にとどまり、今回の上昇が新たなレバレッジ取引の急増ではなく、主に現物買いによって支えられていた可能性を示唆している。
リップル、機関投資家向けサービス拡大に向け2億7500万ドルを調達
Ripple(リップル)は8月18日、傘下のノンバンク系機関投資家向けプライムブローカーであるリップル・プライムが、発行額を増額した2億7500万ドル規模のシニア無担保債の私募を完了したと発表した。
リップルの公式発表によると、調達資金は運転資金や一般的な事業目的に充てられ、清算、プライムブローカレッジ、融資サービスにおけるリップル・プライムの事業拡大を支える。
リップル・プライムのNoel Kimmel(ノエル・キンメル)社長は、「初の債券発行に対して力強い支持を得られたことは、現在の当社事業の強さを示すものだ」と述べた。
キンメル社長によると、機関投資家向け金融インフラの拡大に伴い、今回の追加資金をテクノロジーや人材への投資に活用する。
今回の債券はKBRAから投資適格級の「BBB」格付けを取得した。KBRAはこれまでにも、リップル・プライムの発行体格付けを「BBB」としていた。
Piper Sandler & Co.(パイパー・サンドラー)が主幹事を務めた。
リップルは昨年、プライムブローカーのHidden Road(ヒドゥン・ロード)を約12億5000万ドルで買収し、その後、同事業を「Ripple Prime」へブランド変更した。
今回の資金調達に先立ち、5月にはNeuberger Berman(ニューバーガー・バーマン)が運用するファンドから2億ドルの信用枠を確保している。
リップルは7月にRipple Mint(リップル・ミント)も立ち上げ、機関投資家が同社のステーブルコイン「RLUSD」にアクセスし、発行、償還、管理できるインフラを提供している。
今回の資金調達によって、リップル・プライムは新たな資金源を確保したことになる。リップルは現在、カストディ、ステーブルコイン、レンディング、プライムブローカレッジなど、機関投資家向けサービスの拡大を進めている。
XRP上昇に勢い、デリバティブ市場ではレバレッジ拡大は限定的
リップルの資金調達発表後、市場全体でも上昇が加速した。米財務省が8月19日(水)、長期国債を対象とする流動性支援の買い戻しオペについて、1回当たりの上限を20億ドルから少なくとも40億ドルへ引き上げると発表したためだ。
これを受けて米国債利回りが低下し、ドルも下落したことで、金融市場全体でリスク選好が強まった。
XRPは約0.99ドルの始値から一時1.14ドルまで急騰し、約15%上昇した。時価総額上位5つのレイヤー1資産の中では、約20%上昇したイーサリアム(ETH)に次ぐパフォーマンスとなった。

デリバティブ市場のポジション動向を見ると、XRPが25日ぶりの高値圏まで上昇した一方、建玉の増加は取引高の伸びに比べて限定的だった。
Coinglass(コイングラス)によると、24時間の清算総額は約2000万ドルで、このうちショートポジションの清算が1600万ドル、ロングポジションの清算が380万ドルだった。
XRPのデリバティブ取引高は290.76%増の47億9000万ドルに急増した一方、建玉は3.55%増の28億3000万ドルにとどまった。建玉とは、未決済のデリバティブ契約の総額を示す指標である。
取引高が大幅に増加したにもかかわらず建玉の増加が小さいことは、活発な取引が行われる一方、新たなレバレッジポジションが同程度には積み上がっていないことを示している。
これは、活発な取引が行われる一方、新たなレバレッジポジションが同程度には積み上がっていなかった可能性を示している。24時間のロング・ショート比率も0.9802とほぼ中立圏にあり、デリバティブ市場でロングに大きく偏ったポジション形成はみられなかった。
テクニカル面でも見通しは改善した。XRPは約1.095ドルで取引を終え、24時間の取引時間中に7日単純移動平均線(SMA)の1.028ドルと30日SMAの1.054ドルを上抜けた。
これらの移動平均線は短期および中期の価格トレンドを示すものであり、価格モメンタムが強気方向へ傾いたことを示している。

XRPは取引時間中、一時90日SMAの1.12ドルも上回ったものの、終値では同水準を下回った。このため、90日SMAが次の主要なテクニカル上の抵抗線となり、1.257ドル付近の180日SMAは、より長期的なトレンドの抵抗線となる。
一方、MACDも明確な強気基調へ転換している。MACDラインはシグナルラインを上回り、ヒストグラムもプラス圏に転じた。
MACDは短期と長期の指数平滑移動平均線(EMA)の関係を示す指標であり、今回の反転は上昇モメンタムが加速していることを示唆する。
XRPが複数の取引セッションにわたって終値で1.12ドルを上回れば、次の目標となる180日SMA付近の1.26ドルに向け、さらに一段高となる可能性がある。
反対に、現在30日SMAが位置する1.05ドルを維持できなければ、今回のブレイクアウトの勢いは弱まる。さらに7日SMA付近の1.03ドルを下回れば、短期的な強気構造が一段と崩れ、今回の上昇が失速して「ブルトラップ(強気のだまし)」に終わる可能性もある。


