・約6130億ドルの資産を運用するNeuberger Berman(ニューバーガー・バーマン)が、新たなハイイールド戦略を通じてトークン化ファンド市場に参入した。
・「HINC」ファンドはイーサリアム、ソラナ、アバランチ、Suiの4つのブロックチェーン上で展開され、ハイイールド債やその他の収益を生む資産を投資対象とする。
・Securitize(セキュリタイズ)が規制に準拠したトークン化およびファンド運営のインフラを提供し、利用できるのは要件を満たす認定投資家および適格購入者に限定される。
ニューバーガー、2300億ドル超の債券運用基盤を4つのブロックチェーン上へ
ニューバーガー・バーマンは、セキュリタイズを通じて同社初となるトークン化ファンドを立ち上げ、債券投資戦略をパブリックブロックチェーン上に展開した。
「Neuberger Securitize High Income Tokenized Fund(HINC)」は、主にハイイールド債に投資するほか、ローン担保証券(CLO)やレバレッジドローンも投資対象とする。
プレスリリースによると、ニューバーガーは同ファンドのサブアドバイザーを務める。同社がトークン化された投資商品のサブアドバイザーを務めるのは今回が初めてとなる。
ニューバーガーの債券運用部門は2300億ドルを超える資産を運用しており、HINCでは同社が培ってきたポートフォリオ運用やリサーチの能力を活用する。
セキュリタイズによると、HINCはイーサリアム、ソラナ、アバランチ、Suiの4つのブロックチェーン上で展開される。
このマルチチェーン構造により、要件を満たす投資家は4つのブロックチェーンネットワークを通じて、同じトークン化投資戦略にアクセスできる。
セキュリタイズの共同創業者兼CEOであるCarlos Domingo(カルロス・ドミンゴ)氏は、「HINCをアバランチ、イーサリアム、ソラナ、Suiで展開することで、要件を満たす投資家は主要4つのブロックチェーンネットワークを通じてアクセスできるようになる」と述べた。
Securitize Capital(セキュリタイズ・キャピタル)がHINCの投資顧問を務め、Securitize Markets(セキュリタイズ・マーケッツ)がファンド持分を提供する。
同ファンドを利用できるのは、要件を満たす認定投資家および適格購入者に限られる。
また、投資家はオンボーディングとKYC(本人確認)・AML(マネーロンダリング対策)の手続きを完了するとともに、管轄地域および証券法上の要件を満たす必要がある。
セキュリタイズがマルチチェーン基盤を構築、トークン化クレジット市場が拡大
RWA.xyzの8月18日時点のデータによると、セキュリタイズを通じてオンチェーンで流通する26のトークン化RWA(現実資産)の「Distributed Asset Value(オンチェーン流通資産価値)」は、合計49億6000万ドルに上る。
同社のトークン化商品には、BlackRock(ブラックロック)の27億ドル規模の「BUIDL」ファンド、3億5500万ドル規模のトークン化AAA格CLOファンド、9500万ドル規模のApollo(アポロ)の分散投資型クレジットファンドなどが含まれる。

今回のニューバーガーとの提携により、機関投資家向けの色合いを強めるセキュリタイズのトークン化プラットフォームに、大手の伝統的な債券運用会社が加わることになる。
HINCは、アクティブ運用されるクレジット資産へのエクスポージャーにオンチェーンでアクセスできるよう設計されており、セキュリタイズの商品ラインアップを現金や短期国債以外の資産へと広げる。
ニューバーガーの商品管理責任者であるAnil Abraham(アニル・アブラハム)氏は、「ニューバーガーの債券運用部門は、数十年にわたる市場サイクルを乗り越えてきた」と述べた。

アブラハム氏によると、ニューバーガーは今回の提携を通じて、同社のアクティブ運用型の投資アプローチを適格投資家向けにも展開している。
今回のファンド立ち上げは、借入コストや企業・政府の資金調達を巡る競争が、引き続き債券投資のリターンを左右する重要な要因となっている市場環境のなかで行われた。
Yahoo Finance(ヤフーファイナンス)によると、セキュリタイズ(SECZ)の株価は8月18日の取引終了時点で約9%上昇し、時価総額は約9億6100万ドルとなった。


