Tether、初の完全監査を完了──KPMGが「無限定適正意見」付与

ステーブルコイン「USDT」を発行するTether(テザー)は8月13日、発行主体であるTether International, S.A. de C.V.の2025年12月期財務諸表について、米大手監査法人KPMG U.S.による初の完全な独立監査を完了したと発表した

KPMGは「無限定適正意見(Unqualified Opinion)」を付与しており、これは留保や例外事項のない監査意見を意味する。

今回の監査は、テザーが長年掲げてきた完全監査の実現となる。同社は2017年にも完全な財務監査の実施を表明したが完了には至らず、その後はBDO Italiaによる準備金の定期的なアテステーション(保証報告)を公表してきた。アテステーションが特定時点の準備金や負債の状況を確認するものなのに対し、今回の財務諸表監査は財務状況全体を対象としている。

テザーによると、KPMGは2025年12月31日時点の財務状況について、取引記録やシステム、所有権記録、資産評価、取引相手、裏付け資料などを検証した。

対象には、準備資産や発行済みUSDTに対応する負債を含む貸借対照表、損益計算書、持分変動計算書、キャッシュフロー計算書が含まれる。また、保有する金地金についても、保管機関の報告に依存せず、すべて現物を確認し、存在や識別情報を検証したとしている。

同社のSimon McWilliams(サイモン・マクウィリアムズ)最高財務責任者(CFO)は、監査済み財務諸表では2025年末時点で準備資産が負債を約68億ドル(約1兆880億円、1ドル=160円換算)上回っていたと説明した。

Paolo Ardoino(パオロ・アルドイノ)最高経営責任者(CEO)は、「KPMGは単に主要な数値を確認しただけではなく、資産や取引、システム、文書など財務諸表を支える証拠全体をAICPA(米国公認会計士協会)基準に基づいて監査した」とコメント。「長い道のりの終わりではなく、次の段階の始まりだ」と述べ、今回の監査を透明性向上に向けた新たな出発点と位置付けた。

テザーは今回の監査について、「史上最大規模の初回財務諸表監査」と位置付けており、ステーブルコイン市場における透明性向上の新たな基準になるとの見方を示している。

|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock

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