CoinGecko(コインゲッコー)が7月16日に公開した2026年第2四半期の暗号資産業界レポートによると、主要指標が軒並み縮小する一方で、予測市場だけが四半期ベースの取引高で過去最高を記録した。
上位10の中央集権型取引所(CEX)の現物取引高は1兆9500億ドル(約312兆円、1ドル=160円換算)で、第1四半期の2兆7000億ドル(約432兆円)から27.9%減少した。CEXの永久先物取引高も10.0%減の12兆7000億ドル(約2032兆円)だった。ステーブルコインの時価総額は1.6%減の3051億ドル(約48兆8160億円)となり、2023年第3四半期以来となる前期比マイナスに転じた。
対照的に、予測市場の想定元本ベースの取引高は前期比48.7%増の1138億ドル(約18兆2080億円)に達した。6月単月では528億ドル(約8兆4480億円)と過去最高を更新している。
牽引役はスポーツだ。Polymarket(ポリマーケット)ではスポーツ関連の予測の比率が1月初旬の40%から6月末には81%へ拡大し、ワールドカップの優勝予想だけで33億ドル(約5280億円)超の取引を集めた。市場シェアはKalshi(カルシ)が42.4%から58.9%へ伸ばした一方で、Polymarketは35.8%から30.2%へ後退した。
業界にとって予測市場は数少ない成長領域であり、同時に新規ユーザーの入口にもなりつつある。Bitget Wallet(ビットゲット・ウォレット)の調査では、ワールドカップで初めてPolymarketに賭けた利用者の約6割にオンチェーン活動の履歴がなかった。
一方、成長は規制当局の視線も集める。アメリカでは予測市場を金融市場とみなすかギャンブルとみなすかで連邦と州の間で対立が起きており、Kalshiをめぐる訴訟が2026年に入って激しさを増している。
日本では賭博罪に当たる可能性が高く、予測市場は事実上提供されていない。7月15日に暗号資産の扱いを金融商品取引法へ移管する改正法が成立したが、イベント契約はその範囲外だ。取引所の手数料収入が細るなか、この空白をどう扱うかは中期的な論点となる。
|文・編集:井上 俊彦
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