Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)傘下のE*TRADE(イー・トレード)は7月16日、暗号資産(仮想通貨)の現物取引の提供を発表した。
暗号資産インフラ大手のZero Hash(ゼロハッシュ)と提携することで、対象顧客はE*TRADEのプラットフォーム上でビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)を直接購入・売却・保有できるようになった。
手数料は取引額の50bps(0.5%)。暗号資産はZero Hashの連携口座で保管され、従来の投資資産と並べて残高を確認できる。送金機能は年内の提供を見込む。
「当社の顧客のニーズは変化しており、投資・取引・銀行取引・将来設計をすべて一元的に行いたいと望んでいる」とE*TRADE部門の責任者、Matt Jones(マット・ジョーンズ)氏は声明で述べた。
同社は2025年9月にE*TRADEへの暗号資産取引の拡大を初めて開示し、2026年5月にパイロット提供を開始。今回の展開で当初計画が完了した。暗号資産現物ETFの申請、トークン化構想、ステーブルコイン発行体向けMMFに続く一手となる。
注目すべきは手数料だ。50bpsはCoinbase(コインベース)やRobinhood(ロビンフッド)の標準的なリテール手数料を下回り、4月に75bpsで現物取引を始めたCharles Schwab(チャールズ・シュワブ)より安い。E*TRADEの顧客基盤は約860万人とされ、既存取引所は手数料と顧客接点の両面で圧力を受けることになる。
一方、売買と保管はMorgan Stanley本体ではなくZero Hash側で行われ、連邦預金保険公社(FDIC)・証券投資者保護公社(SIPC)の保護対象外である点には注意が必要だ。同社は暗号資産サービスを新設の信託銀行へ移管する方針も示した。
日本では7月15日、暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法へ移管する改正法が成立した。2027年中の施行が見込まれ、証券会社を軸とした「株と暗号資産の一元管理」がどこまで実現するかが次の焦点となる。
|文・編集:井上 俊彦
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