米証券清算・決済大手のDTCC(The Depository Trust & Clearing Corporation)は、トークン化された株式や米国債などを使った限定的な本番取引を開始した。今回の取り組みは、ブロックチェーン技術を活用した証券取引・決済の実用化に向けた一歩となる。
DTCCによると、JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)は、保有するInvesco QQQ Trust(QQQ)の一部について、トークン形式への変換を完了した。トークン化後も、従来形式の証券へ戻すことができる。
DTCCはXへの投稿で、この取引について、信頼性の高い市場インフラ内でトークン化を実際に活用した事例だと説明した。
DTCCの方式は、証券価格への連動のみを目的とするラップ型トークンとは異なり、従来形式の証券と相互に変換できる仕組みを採用している。トークン化後も、所有権、配当、議決権など、従来の証券と同等の権利を維持する設計だ。
これらの資産は、担保移転、レポ取引、株式取引などで使用される。取引や決済には、DTCCのHyperledger Besu基盤やCanton Network(カントン・ネットワーク)が利用される。
DTCCは2026年5月、7月から限定的な本番取引を始め、10月にサービスの本格提供を開始する計画を公表していた。業界ワーキンググループにはBlackRock(ブラックロック)、Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)、Nasdaq(ナスダック)などが参加している。
トークン化には、取引時間の拡大や決済の迅速化、担保として固定されている流動性の有効活用などが期待されている。DTCCによる今回の本番取引は、既存の証券市場にブロックチェーン基盤を組み込むための重要な節目となる。
|文・編集:Shoko Galaviz
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