タイ中央銀行、グレーマネー取り締まりでステーブルコインへの監視強化=報道

タイ中央銀行(BOT)が、資金洗浄や不正金融、いわゆる「グレーマネー」を取り締まる広範な取り組みの一環として、ステーブルコインへの監視を強化している。

BOTはデータ分析を用い、テザー(USDT)などのステーブルコイン取引で異常な取引量や頻度のものを精査し、情報開示の回避や通常の送金経路の迂回が疑われる取引を検出したという。

USDTは時価総額最大かつ取引所で最も使われるステーブルコインで、その特性から銀行の検査を逃れる資金移動に悪用されやすい。

暗号資産(仮想通貨)を直接所管するのはタイ証券取引委員会(SEC)で、BOTと連携して対応にあたる。BOTのVitai Ratanakorn(ヴィタイ・ラタナコーン)総裁は7月11日、地元メディアに「我々が実施している措置は短期的な解決策ではなく、複数の戦略を継続的に並行して展開する必要がある」と述べた

取り締まりは他分野にも及ぶ。4月以降、500万バーツ(約2400万円、1バーツ=4.8円換算)以上の現金引き出しには目的確認が課され、大口引き出しは約35%減少した。ゴールド(金)の取引の監視も強化された。

タイは暗号資産を使った犯罪の温床の一つとなっており、警察は最近、インターポールの「オペレーション・ファーストライト」の一環で、単一ウォレットが10カ月間にクロスチェーンスワップを通じて1億2250万ドル(約196億円、1ドル=160円換算)以上を処理したロマンス詐欺の資金洗浄網を摘発した。

USDTへの規制圧力は世界的な潮流であり、改正資金決済法の下で円建てステーブルコインの整備を進める日本にとっても、発行・流通に伴うマネーロンダリング対策の重要性を改めて示す事例といえる。

|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock

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