NEC、生体認証を組み込んだ分散型ID基盤を検討──Avalancheを活用

NECは7月10日、ブロックチェーン「Avalanche(アバランチ)」を開発するAva Labs(アバラボ)と覚書(MOU)を締結し、次世代オンチェーンサービスの共同検討を始めたと発表した。

NECの生体認証を活用した分散型識別子(DID)や検証可能なデジタル証明書(VC)と、Avalancheのブロックチェーン基盤を組み合わせ、本人確認からステーブルコイン決済、特典付与までを一体化したデジタル取引基盤の構築を目指すという。

第1弾として、訪日外国人向けの決済・送金・本人確認を扱うホワイトペーパーを公開した。

提示されたモデルでは、利用者が来日前に顔認証とひも付けたVC「FaceVC」を取得する。来日後は、店舗で1タップの承認を行うことで、顔認証によるステーブルコインの即時決済から、旅行者としての属性に応じたリワードの受け取りまでを完結できるという。

事前登録からサービス利用までの流れを示す3段の情報図。本人確認とデジタル証明の生成、顔情報の連携を説明。スクリーンにはスマホと手続きの図が描かれている。

FaceVCは、VCをウォレットに格納するときや利用するときに顔認証を行い、なりすましを防ぐ仕組み。

生体情報や購買履歴は利用者のウォレット内で管理し、決済や特典の利用時には必要最小限の情報だけを開示することで、利便性とプライバシー保護の両立を図る狙いがある。

システムには、役割の異なる3つのAvalancheチェーンを利用する。DID文書やVCの失効情報は許可型のAvalanche L1、ステーブルコイン決済は決済専用ネットワーク「SETTL」、リワードトークンやNFTの発行・流通はパブリックチェーン「C-Chain」が担う。

これらをクロスチェーン通信機能「Interchain Messaging(ICM)」で接続し、本人確認、決済、特典付与を連携させる。

両社は今後、訪日客向けサービスに加え、金融機関の本人確認やクロスボーダー決済、AIエージェントの認証などへの展開も検討する。

|文:平木 昌宏
|画像:リリースより

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