米証券取引委員会(SEC)が提案したRegulation NMS(全国市場システム規則)の一部撤廃案について、Benchmark Equity Research(ベンチマーク・エクイティ・リサーチ)は、米国の暗号資産(仮想通貨)業界にとって今年最も重要な規制変更になる可能性があるとの見方を示したと、The Blockが報じた。
SECは6月11日、2005年に導入されたRegulation NMSのRule 611とRule 610(e)の撤廃を提案した。これらの規則は、米国株の注文回送や執行に関する市場構造の中核を担ってきた。
SECは今回の提案について、市場構造を簡素化し、市場参加者のコストを下げるとともに、競争とイノベーションが米国株式市場の発展を形作る余地を広げるものだと説明している。
ベンチマークのアナリストであるMark Palmer(マーク・パーマー)氏は15日の投資家向けメモで、今回の撤廃案が、トークン化株式を自動マーケットメーカー(AMM)上で取引する際の主要な法的障壁を取り除く可能性があると指摘した。
Rule 611は「Order Protection Rule」とも呼ばれ、取引施設が他市場に表示された保護気配より不利な価格で取引を執行することを避けるよう求める規則だ。これにより、執行時点での全国最良気配(NBBO)に沿った取引が事実上求められてきた。
一方、Rule 610(e)は、気配値が重なったり交差したりする「ロックド」または「クロスト」市場を禁じ、表示価格の序列が崩れる状態を防ぐ役割を持っている。
パーマー氏によると、こうした規則は、分散型金融(DeFi)型の取引モデル、とりわけAMMにとって障害になってきた。AMMは注文板を通じて注文を回送するのではなく、連続的な価格曲線に基づいて取引を執行するため、NBBOのような市場間の価格保護システムを前提としていない。
同氏は、市場関係者の間では、Rule 611の撤廃によって最も直接的な恩恵を受けるのは、トークン化株式や暗号資産型の株式取引所だとみられていると説明した。トレードスルー規制がなくなれば、こうした取引施設は既存の株式市場インフラとより直接的に接続しやすくなる可能性がある。
ベンチマークは、その中でもSecuritize(セキュリタイズ)が最も直接的な受益者になり得ると指摘した。同社は規制下のトークン化プラットフォームであり、BlackRock(ブラックロック)のBUIDLを含むトークン化証券の発行インフラを提供しているためだ。
また、Coinbase Global(コインベース・グローバル)とGalaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)も、取引インフラ、ブローカレッジ、デジタル資産のマーケットメイクに関わる企業として追い風を受ける可能性があるという。
SECは今回の提案について60日間の意見募集期間を設けており、ベンチマークは撤廃案の採決が2027年初めに行われると予想している。
|文・編集:Shoko Galaviz
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