BTC、米CPI後に米株安と逆行して反発──予測市場ではブルトラップ警戒も【価格分析】
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・ビットコイン(BTC)は、米CPIが4.2%に達した後、ナスダックが1.1%下落し、VIX指数が約10%上昇するなかでも、2%近く上昇した。
・市場の反応は、トレーダーがエネルギー主導のインフレショックを過度に重視していないなかで、BTCが株式市場の弱さから部分的に切り離されつつあることを示唆している。
・一方、予測市場のオッズを見ると、トレーダーは依然として下落リスクに備えており、BTCは重要なサポート帯である6万〜6万2000ドル付近を維持している。

強い米CPI発表後にナスダックが下落するなか、BTCは上昇

BTCは水曜日、米国のインフレ率が4.2%と2023年4月以来の高水準に上昇し、米株が軟調となるなかでも、6万2000ドル付近まで反発した。市場の反応は資産クラスによって分かれた。

Bar chart of US CPI index from May to May 2026, showing a rise from about 322 to 335 (BLS).
<米消費者物価指数(CPI)|TradingEconomics、2026年6月10日>

米CPIの発表後、BTCは2%近く上昇した。一方、ナスダックは1.12%下落し、ラッセル2000も0.37%下げた。VIX指数は9.95%上昇して21.85となり、米株の下落に備えるヘッジ需要が高まっていることを示した。

Market ticker strip showing current levels and daily changes for Nasdaq, Russell 2000, VIX, Gold, Bitcoin USD, and Brent Crude.
<米CPI発表後の資産横断パフォーマンス|Yahoo Finance、2026年6月10日>

CPIの過熱を示す内容は、利下げ期待に引き続き圧力をかけている。特に、ブレント原油が1.6%上昇して92.91ドルとなったことも重しとなっている。

ただし、発表前にCoinDeskは、BTCの反応はインフレが広範な経済に波及するのか、それともエネルギー分野に集中したままなのかに左右されると指摘していた。今回のCPI上昇は主にエネルギーが押し上げたもので、コアCPIは前年比2.9%と比較的抑えられていた。

金の値動きもこの見方を裏付けている。CPIが強い結果となったにもかかわらず、金は3.25%下落した。これは、トレーダーが基調的なインフレに備えてヘッジ資産を買っていたというより、実質金利の上昇を織り込んでいたことを示唆している。

下落局面でいったん切り離された後、BTCとS&P500の相関は回復

今回の米CPI発表週で目立ったもう一つの指標は、ナスダックとBTCの値動きの乖離だ。CPI発表後にナスダックは売られたが、BTCは発表後の数時間でプラス圏を維持した。BTCの反発は、ショートカバーや6万ドル付近での売られ過ぎ感、さらにコアインフレが総合指数ほど急加速しなかったことへの安心感に支えられている可能性がある。

BTCは、リスク選好が強まる上昇局面では米株と連動する一方、暗号資産特有の売りが出る局面では乖離する傾向がある。これにより、上昇局面と下落局面で相関の出方が異なる非対称な相関構造が生まれている。

BTCとS&P500の20日相関は、BTCの下落局面で一時マイナス圏に落ち込んだ後、価格が安定するにつれて0.50前後まで回復した。

Daily BTC/USD candlestick chart on Coinbase, showing a downtrend from around 120k toward 62k with volume bars below
<BTCとS&P500の相関係数(20日平均)|TradingView、2026年6月10日>

これは、BTCが下落局面では米株から切り離されていたことを意味する。

その後、価格が安定すると、BTCは再び広範なリスクセンチメントと連動し始めた。相関がプラス圏へ戻っていることは、暗号資産特有の急激な売り一巡を経た後、ビットコインが再びマクロ環境のリスク選好に反応し始めている可能性を示している。

小型株もナスダックより底堅く、ラッセル2000の下落率は0.37%にとどまった。これは、売り圧力がデュレーションの長いグロース株に集中していることを示している。金利がより長く高止まりする環境では、こうした銘柄ほどバリュエーションへの下押し圧力を受けやすい。

流動性が改善し、リスク選好が戻れば、BTCはS&P500に追随する可能性がある。ただし、BTCが崩れる局面では、暗号資産市場内部の要因によって下落が増幅されることがある。考えられる要因としては、ETFからの資金流出、6月第1週にBTCが7万3500ドルから5万9500ドルまで急落した際に20億ドルを超えた連鎖的な清算、さらにAI分野への転換資金を確保するためにマイナーが準備資産を取り崩して売却したことなどが挙げられる。

BTC価格予想:6万ドルのサポートが引き続き重要水準

BTCは日中に約2%反発し、一時6万2700ドルに達したが、この動きはまだ十分に説得力があるとはいえない。BTCは5万9000ドル付近の安値から回復したものの、出来高は売り局面に比べてかなり少ないままだ。

また、BTCは7万〜7万5000ドル付近にある重要な移動平均線もまだ回復していない。この水準を取り戻すまでは、市場心理は防御的な状態が続く可能性がある。

<予測市場:6月にBTCはどこまで下がるか|Kalshi>

予測市場のセンチメントを見ても、木曜日時点でトレーダーは依然として慎重だ。Kalshiの「6月にBTCはどこまで下がるか」を追跡する契約のオッズは、多くの参加者が反発失敗に備えてヘッジしていることを示している。

現在、市場はBTCが6月中に5万7500ドルを下回る確率を42%と見ている。これはCPI発表後に38ポイント低下しており、CPI後の反発を受けて、BTCがすぐに一段安となるとの見方が後退していることを示している。

ただし、トレーダーはより深いテールリスクには依然として警戒している。BTCが5万5000ドルを下回る確率は現在22%で、7ポイント上昇した。また、5万2500ドルを下回る確率は14%で、10ポイント上昇している。これは、トレーダーが目先の小幅な下落への賭けを減らす一方で、より急激な下落に対するヘッジを強めていることを示している。

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