米連邦捜査局(FBI)の元捜査官が11月5日、米バージニア州の連邦地裁で通信詐欺と資金洗浄の罪を認めた。米司法省バージニア州東部地区連邦検察局が同日発表した。
元捜査官はPatrick Steven Yaroch(パトリック・スティーブン・ヤロック)被告(37)。FBIが35件の捜査で得た認証情報を悪用し、約100回にわたり暗号資産(仮想通貨)を不正に送金した。不正に得た額は約247万4380.66ドル(約3億9095万2144円、1ドル=158円)に上る。
ヤロック被告はFBIで、米国と敵対する国に関する捜査を担当していた。在職中は、捜査で集めた暗号資産ウォレットの認証情報を保管するFBIのシステムにアクセスできる立場にあったという。
遅くとも2024年12月には、この立場を利用して暗号資産を盗み始めた。窃取元には、捜査対象者や敵対国の関係者が管理するウォレットに加え、FBIが作戦用に作成したウォレットも少なくとも1つ含まれていた。
ヤロック被告は、盗んだ暗号資産を別の銘柄に交換するなど、取引を繰り返して資金の出所や所有者を隠した。一部はクレジットカードの支払いや自動車ローンの返済などに充てたとされる。
さらに、海外での生活にも資金を使うつもりで、ChatGPTに投資や移住先について相談し、ポルトガルでの手続きは現地の弁護士に依頼したという。
検察側とヤロック被告が合意した事実関係によると、一連の行為は犯罪組織や敵対国に関するFBIの複数の捜査に支障をきたし、情報源や捜査手法にも影響を及ぼした。
量刑の言い渡しは2027年3月4日の予定で、最長20年の懲役刑が科される可能性がある。
【次に読む】
» 米Metaから58億円詐取──自称「ゴッドファーザー」の暗号資産実業家に実刑判決
» 米司法省、イラン原油収益94億円相当の暗号資産没収求め提訴
» ハードウェアウォレットLedgerの資産流出問題、画面裏に「スパイ装置」か
|文:平木 昌宏
|画像:Shutterstock


