ユタ州、Kalshiと共同創業者2人を刑事告発

米ユタ州司法長官のDerek Brown(デレク・ブラウン)氏は10月28日、予測市場のKalshi(カルシ)と、同社の共同創業者でCEOのTarek Mansour(タレク・マンスール)氏、COOのLuana Lopes Lara(ルアナ・ロペス・ララ)氏を刑事告発した。

罪状は3つある。第2級重罪にあたる「不法活動のパターン」(州版RICO法)違反が1件、第3級重罪の「オンライン賭博の助長」が12件、A級軽罪の「賭博の助長」が1件だ。

告発状によると、州司法長官室の特別捜査官が9月13日にユタ州民を装った口座を開設し、24日までにNFLやMLB、カレッジフットボールなどに12件の賭けを行った。賭け金は計114.87ドル(約1万8379円、1ドル=160円換算)で、カルシは1件ごとに手数料を徴収し、その合計は3.36ドル(約538円)だった。

州側は、連邦地裁が8月に「州の賭博禁止法はKalshiに適用される」と判断し、9月に連邦控訴裁もKalshiによる差し止めの申し立てを退けたにもかかわらず、同社がサービスを続けたと指摘している。

ブラウン氏は現地の報道機関に対して「ユタ州では賭博は違法だ。『予測市場』と呼んだろしても本質は変わらず、連邦登録をしているからといって企業が法の上に立つわけではない」と述べた。

これに対しKalshiの広報担当者は「越権行為であり、ユタ州は明らかに政治的に動いている。アリゾナ州のときと同じく、法廷でこれを止める」と反論した。

州は10月20日にKalshiを民事提訴していた。これに対しアメリカ商品先物取引委員会(CFTC)は27日、州法の執行差し止めを求めて提訴した。Michael Selig(マイケル・セリグ)委員長は「議会はCFTCに、これらの市場を監督する唯一の責任を託した」と述べている。CFTCが提訴した州はこれで10州目となる。

連邦と州の管轄争いは、経営者の刑事責任を問う段階に入った。Kalshiへの刑事告発は3月のアリゾナ州に続いて2例目だが、経営陣個人が訴追されたのは今回が初めてだ。アリゾナ州の訴追は連邦地裁が差し止め、州側が控訴している。連邦控訴裁の判断も割れているため、最終的な決着は連邦最高裁に委ねられる公算が大きい。

日本では予測市場は刑法の賭博罪に触れる可能性が高く、Polymarket(ポリマーケット)は日本を利用禁止国に指定している。Kalshiの利用規約は日本を制限対象に含めていないが、国内からの利用が賭博に当たるおそれがある。

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|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock

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